下水道工事で発生した
高含水汚泥を埋戻し材に再利用
郡山市・建辰が取り組むリサイクルシステム
■高含水の建設汚泥を短時間で再資源化■
 郡山市の株式会社建辰(高坂俊行社長)は、高含水建設汚泥リサイクルシステムの「ボンテラン工法」によって建設副産物の再利用・再資源化に取り組んでいる。
 ボンテラン工法は、下水道の推進工事などで発生する高含水状態の汚泥を埋戻し材や盛土材、植生基盤材に再生利用する手法。施工方法は①高含水の建設汚泥に木質系ファイバーの故紙破砕物を混入し、土粒子の回りの水分を吸収させる②ボンテラン-P(ポリアクリル系ポリマー)およびボンテラン-L(塩素性ポリ無機塩)を投入して攪拌する③汚泥が強度の高い土に改良される-という簡単な手順で、即時に運搬可能となる。



①汚泥にボンテラン剤を投入


②約15分~30分間撹拌する


③高強度の改良土に生まれ変わる

■盛土材や埋戻し材、植生基盤材として再利用■
 主に下水道工事の埋戻し材や道路工事の盛土材、法面の基盤材に再利用されている。ボンテラン工法では、環境基準を全てクリアした安全な添加材料を使用しているとともに、バクテリアなどで生分解され易い物質を使用するため処理土中に長期残留することがない。また改良土になるまでには、約15分から30分程度の攪拌で団粒固化するので、即時に運搬が可能で仮置場が必要ないというメリットがある。
 再生後の用途としては、非自硬性汚泥(セメントが混入していない建設汚泥)の改良土は保水量・保水力が大きく保水時間が長いので植生基盤材に適しており、自硬性汚泥(セメントが混入した建設汚泥)の改良土は、破壊ひずみが大きく残留強度の保持が可能なので盛土材に適している。
■ボンテラン工法研究会の組織■
 正会員は全国で22社、福島県には・建辰を含め3社ある。サイエンティフィックアドバイザーとして東北大学大学院工学研究科の高橋弘助教授ら6名の学識経験者が個人会員となっている。
 ▽会長=益子恵治 ・東京ソイルリサーチ取締役副社長、元福島県土木部長、旧建設省河川局砂防部長
 ▽事務局=東京都千代田区神田司町2丁目10番地神田司町APビル9F(日東工事・内)TEL03-3252-4506 FAX03-3252-4505
 E-mail ntk@pastel.ocn.jp
■県内の施工実績(平成14年3月現在)■
▽岩淵浄水場導水管江花川横断推進工事=埋戻し材31.6m3(須賀川市発注)
▽公共下水道104号幹線その2工事=埋戻し材156.1m3(須賀川市発注)
▽公共下水道102号幹線その5工事=埋戻し材46.5m3(須賀川市発注)
▽公共下水道築造工事第4工区=埋戻し材41.8m3(郡山市発注)
▽特定環境保全公共下水道築造工事第302工区=埋戻し材16.7m3(郡山市発注)
▽特定環境保全公共下水道築造工事第303工区=埋戻し材303m3(郡山市発注)
▽特定環境保全公共下水道築造工事第409工区=埋戻し材5.3m3(郡山市発注)
▽平成14年度須賀川市公共下水道西部2号雨水幹線その3工事=埋戻し材1、600m3(須賀川市発注)

■株式会社建辰 会社案内■

 平成5年4月設立。社員数18名。
 取得許可は、建設許可福島県知事登録(土木、とび・土工、石工、鋼構造物、舗装、水道施設)、郡山市下水道工事指定店、郡山市指定給水装置工事指定店、産業廃棄物収集運搬許可(福島県、郡山市)、産業廃棄物処分業許可(郡山市)
 住所・電話番号=郡山市富田町不動前26-2 TEL024-921-5077(代)FAX024-921-9006 
URL http://www.kenshin-r.co.jp
E-mail info@kenshin-r.co.jp
目次へ