一人暮らしの心強い味方
緊急通報装置で地域の高齢者を守る
福島県川俣町・(株)小林の「あんしんネットワーク」
■地元の企業として高齢化に対応■
 生活エネルギーの安定供給とライフライン建設事業を通じて、人と自然が調和する豊かでさわやかな都市環境の創造を目指す小林グループ((株)小林、三和石油ガス(株)、コバックス(株)=小林仁一社長)は、伊達郡川俣町字八反田の(株)小林を拠点として平成12年4月より緊急通報システム「あんしんネットワーク」を開始した。これは、加入者宅に「緊急通報装置」を設置して、気分が悪くなった場合に緊急ボタンを押すと小林本社の受信センターに通報が届くというもの。社会の高齢化が急速に進む中、地域に根付いたLPガス事業や設備工事を行う同グループが長年の経験をもとに取り組んでいる新たなサービス事業だ。
■一つのボタンが守る“安心”■
 「あんしんネットワーク」は、高齢者向け緊急通報システム事業を行っているホームネット(株)(東京都)が、そのノウハウを全国展開しているネットワークシステム。東洋計器(株)が開発した「緊急警報装置」と、この装置に無線でつながる「ペンダント式非常用押しボタン」を活用し、全国各地のネットワーク参加企業が窓口として事業を展開している。このシステムでは、一人暮らしの高齢者が気分が悪いときや異常事態などが起きた際にこのペンダントのボタンを押すと、家の中に設置してある緊急通報装置に無線でつながり、その通報は電話回線を通じて各企業の受信センターに自動で緊急通報される。受信センターでは通報者の住所、氏名、電話番号、主治医等を即時に出力して通報者の安否を確認し、安否が確認できない場合でも現場に緊急出動するという、まさに“あんしん”のネットワークだ。

■LPガス企業として独自の取り組み■
 ネットワーク参加企業をみると、地域の隅々まで知りつくしたタクシー会社が多勢を占めている。本県においても中通りを中心としてタクシー会社がその業務範囲をカバーしているが、小林のようにLPガス事業者が取り組む例は稀だ。同社では、緊急通報サービスを始めたきっかけとして「LPガス法改正で、緊急時対応体制の確立を求められたこと」を上げるとともに、グループ全体として培ってきたノウハウを、地域において加速する高齢化へより一層効果的に活かすものとして、このネットワーク事業に着手した。
■水回りの相談にも迅速対応■
 現在、小林があんしんネットワークを展開しているエリアは川俣町、伊達町、飯野町の三町。いずれも高齢化が進む地域で、都市部と比較して高齢者世帯や高齢者の一人暮らしが多いのが特徴だ。現在、三町あわせて270人の加入者がおり、サービスを開始した平成12年は33件、平成13年は22件、そして平成14年9月末の時点で6件の緊急通報があった。同社では「健康」と「暮らし」をキーワードに、このネットワークに加入している高齢者が、気分が悪くなった時や不審者の家宅内侵入の際にも通報があれば24時間待機または宿直している同社の社員が駆けつけ、状況に応じて110番、119番、病院、電力会社に出動要請を行っている。もちろん、ガスや水道などライフラインの不具合については、専門業者である同社の社員が即座に対応できるということも、タクシー会社などにはないメリットだ。


ペンダント式非常押しボタン


小林の緊急出動車

■小林グループ概要■

 同社は、大正9年10月に薪炭燃料の産地問屋として創業。その後、エネルギーの主役が石炭、石油・ガスと変化するにつれて取り扱い品目を拡大し、エネルギーの安定供給に努めてきている。そして、現在は燃料販売はもとより、各種燃料システムの設計・施工、上下水道工事、LPガス供給設備等のライフライン関連事業にも従事している。
ホームページアドレスhttp://www.jeynet.ne.jp/~kobayashi/index.htm
▽(株)小林=福島県伊達郡川俣町字八反田24、TEL(024)565-3341
▽三和石油ガス(株)=福島県伊達郡伊達町字野崎36、TEL(024)583-2360
▽コバックス(株)=福島県福島市小倉寺字中田33-2、TEL(024)521-3341
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