市街地活性化への一助
地元建設業者(須賀川市)の取り組み
■地元の手で中心市街地活性化!■
 都市公園・翠ケ丘に隣接し、須賀川市街地で最も高台に位置する上北町に間もなく12階建マンションが誕生する。事業主体は、中小都市には珍しい地元ディベロッパーと地元建設業者のJVである。
 地域を熟知しているのは、やはり地元業者。しかし、地場のゼネコン会社が地域と連携して中心市街地活性化計画を立ち上げるケースは、未だ少ないのが実態だ。公共事業が激減する中、JVは同事業を通じてコンストラクションマネジメントのノウハウを地元に構築していくことで、新たな事業への検討・展開にもつなげていこうとしている。
■事業主体■
 住民の定住化による中心市街地の活性化の一助として、須賀川市内のディベロッパー・フジ開発(株)と地場ゼネコンである三柏工業(株)及び(株)あおい組の3者JVが事業主体。その地をよく知っている地元業者がプラン化し、民間における都市開発のノウハウを数多く蓄積しているコンサルタントが、ソフトウェアを含め事業を展開しながら地元でコンサルタント技術者の「確保・育成」を進める。
 プロジェクトは、仕事の明確化も方針として打ち出しており、基本計画・予備設計など設計・工事管理、施工をだれが、事業主体といかなる関係で担当するのか、契約システムを選択することを可能にしており、更なる事業展開、そして新しい役割を見出そうとしている。
■グリーンフィル事業に取り組んだ背景■
 中心市街地の空洞化は、地方自治体にとっても大きな課題である。空洞化した中心市街地で住民の定住化を進め、市街地の人口を増やすことが最良の対策であることは間違いない。そしてこれが民間にとっては大きなビジネスチャンスでもあるわけだが、これまで同市では、民間での表立った活動が見られなかった。それは権利関係の調整や周辺環境との調和など専門的なコンサルティングが必要となるためで、地方の中小都市では、一般的にこういった事業への取り組みは大手マンションメーカーばかりが目立っている。
 この状況下だが、須賀川市の不動産会社と建設会社を事業主体として街づくりの支援へ積極的に取り組んでいるのがグリーンフィル事業。“家族がいつも緑を感じるマンションライフを”との願いを込めて、プロジェクトは『グリーンフィル』と名付けられた。施工場所(上北町49-1)の松明通りは、市街地の中心でありマンション建設の効果がまさに絶大な地となった。
須賀川の街並みに調和する木の安らぎに包まれたマンション「グリーン・フィル」
■グリーンフィルの概要■
 SRC造12階建639.44平方メートル(延べ床面積4344.42平方メートル)、販売戸数は44戸で、来年5月下旬の完成をめざしている。モデルルームが10月5日にオープンしたばかり。
 建物を取り囲む植栽や窓からの緑が楽しめる2階南側の屋上庭園、住戸毎の1階トランクルーム(床や建具は木彫仕上を採用・全室照明器具付)や約30秒で最上階まで移動する高速エレベーター、エントランスホールなど木のやすらぎにあふれ、心地よい空間を創造する。
■マンション建設で新技術への取り組み■
 今回のJV構成員である三柏工業(株)では、今後のマンション建設に新たな技術・技法(ルネス工法)を取り入れ、須賀川市にルネス事業室(須賀川支店・須賀川市愛石山103-4 TEL0248-76-0208)を開設、独自のマンション事業も展開している
 将来にわたって安定経営を行える賃貸マンション。これからのアパートやマンションは、機能性などで選ばれる時代だ。今まで入居者が不満としていた①収納部分の不足②上下階の騒音③採光・換気の悪さ-などを一気に解決したのがルネス工法といえる。ルネスマンションによって入居者が『住みたい』、『住み続けたい』と思う入居者本位のマンションを提供していく一方で、オーナーの資金価値をも重視、将来にわたって安定した経営をサポートしていく。
■ルネス工法(特許取得済み)とは-■
 従来工法では、梁が天井側にあり天井裏に配線や上階の配管が施工されている。ルネス工法は、この梁を床下にもってきた逆梁工法を発展させたもので、床を束ではなく『軽量ビーム』で支えている。これによって、床下空間の有効活用が図られ、膨大な量の収納も可能になり、設備メンテナンスや介護住宅などへのリフォームもしやすい。さらに、ビームと梁の接点には、遮音用ゴムが用いられており、階下への遮音性が格段にアップし、近隣問題は見事に解消する。また、梁が床下にあることで、ハイサッシや欄間付ドアが取り付け可能になり、梁型のない室内と相まって、スッキリとした空間となり、十分な採光・換気を加え快適な住環境が生まれる。

※詳しい資料の問い合わせ等は三柏工業(株)のホームページで。
http://www.sanpaku.co.jp
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