舗装面取機械を開発
タテガサキ(国見町)
円錐グラインダーを水平回転
 国見町のタテガサキ(斎藤樹社長)は、アスファルト舗装の修復時の垂直切断面をビットの付いた円錐状グラインダーで削ることで接合面の密着性を高める、「舗装面取機械」を開発した。社団法人東北建設協会の14年度技術開発助成対象として認定を受けている。
 同社は13年度にも「電柱のリサイクル型枠杭」の開発で選ばれており、今回が2年連続の認定。このほかにも「ミニプラント運搬機」「舗装用型枠・板レーキ」を発案し商品化した実績を持つ。「舗装面取機械」は4月から販売を開始する予定だ。
 「舗装面取機械」はアスファルト補修で舗装業者の共通の悩みと言える、接合面の剥離の問題を解決しようと発案したもの。剥離は、工事検査時の指摘事項として挙げられることも多く、密着性を高めるために苦労しているのが現状だ。
 垂直で滑らかな切断面は密着が弱いため、一般的にはガスバーナー、ピックによる処理や斜めアスファルトカッターなどを用い斜めで傷の付いた面に加工するが、面の劣化や効率の悪さなどが問題となっていた。
 「舗装面取機械」の最大の特徴は、複数個の切削ピットを付けた円錐状グラインダー。アスファルト舗装面をカッターで垂直に切断、補修面側のアスファルトを剥がした後、小径側を下に向けて走行装置に設置したグラインダーを水平回転させ、切断面を研磨しながら走行する。円錐状のため斜めに研磨され、ピットが表面を削り取り凹凸状となる仕組み。
 削ることで切断面の表面積が増し密着性が格段にアップ。水を使用しないことも密着の良さにつながっている。また、グラインダーが水平回転するため起伏のある路面にも対応可能だ。
 作業が一人でできるため人的効果が高いのはもちろん、「カッターを入れる」「面取機で削る」といった2段階の工程でも、従来の手法に比べ作業効率は格段に違うとのこと。
 同機械は、「剥離の問題は構造的な欠陥」と考えていた斎藤社長が2年前に構想を思いつき、昨年1月から本格的に開発に着手。自らの手で円錐状グラインダーを製作するなど準備を進めていた。
 これまでに研磨時のブレの修正など最終調整が済み、4月から販売を開始する。当面は受注生産。また今後は、大型機の開発も計画している。斎藤社長は「建設業の仕事量が減少していく中、新たな取り組みとして活用してもらいたい」と呼びかけている。
 また同社ではこのほか、木刃に堅木を使用し減りを抑えた「木製舗装用板レーキ」、小型運搬車にコンクリートミキサーを搭載し作業効率アップなどを実現した「ミニプラント運搬車」を発案。商品化され、実際の現場で活躍している。
 「電柱のリサイクル型枠杭」は、電柱廃材を再利用し杭として活用するもの。電柱を型枠として用い、中に鉄筋とコンクリートを入れることで建築基準法をクリア。試験等を重ね改良を進めている段階だ。
 「舗装面取機械」「木製舗装用板レーキ」「ミニプラント運搬車」はコマツ福島で販売。問い合わせは同社?024(922)2111まで。

(写真は舗装面取機の試験施工状況)
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