三柏工業が『株式会社オーシーエス』を設立

企業IT化、CALS/ECの推進をサポート
 公共工事において電子入札・電子納品などを推進する「CALS/EC」。国土交通省では、平成16年度からすべての発注案件において電子入札・電子納品を実施しており、福島県でも平成19年度からの本格導入へ向けて準備を進めている。その後、市町村においても平成22年度からの実施が決定しており、受注側の建設産業にもCALS/ECへの対応が求められている。
 しかし、CALS/ECに対応するためには、高度なITスキルを持った人材の確保・育成、ソフト・ハード両面からの環境整備が必要となる。
 グループ内にCALS/ECエキスパート及び5名のCALS/ECインストラクターを有し、施工業者として長年の経験を持つ三柏工業(本社・矢吹町、菊地一樹社長)がその強みを活かし、建設産業がスムーズかつローコストでCALS/ECに対応できるよう、CALS/ECに関する教育事業及びCALS/ECとIT化全般に関する支援事業を行う「株式会社オーシーエス」を設立した。


■電子納品に関する講座■
 同社が実施する主な事業は、「電子納品に関する講座(全6講座)の開催」「CALSコンサルティング・継続サポート」「電子納品代行業務」「企業IT化インフラ整備支援」の4本柱。
 講座は、全6講座で構成。CALS/ECの全体像を把握するための電子納品ガイドライン研修を経て、その後、
▽PDF作成ウィルス対策研修
 電子納品を作成する上で必要になるPDFファイルの作成と編集及びネットワークセキュリティ等。
▽デジタル写真管理研修
 デジタル写真管理情報基準(案)の解説、デジタル写真の編集と納品時のポイント、事前協議のポイント、撮影テクニック等。
▽電子納品実務研修
 電子納品要領(案)の解説、電子納品の流れ、納品データ作成、CD-R作成からウィルスチェック・ラベル作成等。
▽CAD製図基準(案)研修 基礎編
 CAD製図基準(案)の解説、SFX(P21/SFC)について、CAD図面の取扱いの流れ、CADの基本操作等。
▽CAD製図基準(案)研修 応用編
 CAD製図基準(案)基礎講座のおさらい、図面変更に関する作業、図面の入力練習、実践デモ。
に関する研修を展開する。
 カリキュラムは、同社の顧問を務めるCALS/ECエキスパートの田中俊顕氏が監修したもの。田中氏は、元国土交通省職員で、CALS/ECを担当した専門家。
 17年度は、福島県建設業協会の要請で、同協会及び福島県土木施工管理技士会主催による会員向けの研修に着手している。8月に経営者向けの電子納品ガイドライン研修を開催したのを皮切りに、県内8連絡協議会単位で現場技術者・現場代理人向けの研修を順次開催しており、17年度内に電子納品ガイドライン研修、PDF作成・ウィルス対策研修、デジタル写真管理研修まで終了させる予定。来年度以降は、会員以外も対象とした自社開催も予定している。


写真は平成17年10月25日に郡山で開催した講座

■CALSコンサルティング・継続的なサポートの実施■
 上記研修だけではなく、現場技術者を中核とした企業IT化・建設CALS/EC技術向上のためのコンサルティングや継続的なサポートとして、各種基準(案)に沿った教育を、段階を踏んで行う。また、実際の電子納品対応のための継続的な訪問サポート、緊急時における電話によるヘルプデスク機能によるサポートも行う。
■電子納品代行業務・電子申請代行業務■
 現場技術者が、多忙な現場管理や工期の重なりと並行しながら、今後改訂が予想される各種基準(案)に基づいた電子納品成果の作成を行うには、今まで以上の労力が求められる。また、不況下において電子納品・電子申請を行う人員を配置する事が困難であったり、コスト面から、各種ソフトウェアの導入を見送る建設会社があるため、同社の現場経験豊富なスタッフが、各作業所のニーズに合わせた電子納品成果品の作成及び作成サポートや、電子申請サービスとして電子証明書の取得から各申請部局への申請代行サービスを行う。
■企業IT化インフラ整備支援■
 本格的なCALS/ECの普及により、電子入札・電子納品に対応したインフラ環境が求められる。また、企業のIT化は、企業内情報の一元管理を行うことにより、情報伝達速度の向上等企業体質の強化にもつながる。  同社は、企業IT化診断を行い、各社のニーズに合わせたインフラ環境・サーバ構築等をサポートする。
 詳細は OCS  ホームページへ
http://www.ocs3.co.jp/
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