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「建設から管理まで」で新たな市場の開拓
白河市の兼子組が独自の賃貸管理システムで需要の掘り起こし
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白河市の兼子組(兼子恵治社長)は、公共事業の減少に対応するため、新規開拓事業に乗り出した。従来、建設だけで終わっていたマンションなどの建築に関して、「建築から管理まで」一貫して行うシステムを新たに導入したもので、入退去時のメンテナンスから日常の維持管理まで全てを行うことで、オーナーとの信頼関係を築き、入居者にも安心して生活できる環境を提供する。現在95戸の管理を実施しているが、今後1000戸の管理を目標としている。
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■建築から管理まで安心ライフの賃貸管理システム■ |
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兼子社長は「従来の建設業者はつくるだけで終わり、その後はクレームを受けるだけの存在だった。建築から管理までを行うことで、お付き合いは数十年にわたることになる。オーナーさんとの信頼関係が築かれ、その後のメンテナンスやリフォームにも結びつけることができる」と語り、建築だけの建設業から管理を含めた建築物のライフサイクル全般に関わることで、更なる需要の掘り起こしを実現する考え。
従来の管理は、主に不動産会社が行っており、オーナーは不動産会社を通してメンテナンス、リフォーム等を行っている。しかし、不動産会社は仲介が主たる業務で、管理は従であった。従って十分な管理とは言えず、オーナー自ら関わることが多かった。同社の賃貸管理システムは、そうしたオーナーの煩わしさや不安を解消する。
同社が進める賃貸管理システムとは、〔1〕入居者募集〔2〕賃貸借契約〔3〕賃料徴収と送金〔4〕管理・クレーム処理〔5〕解約・リフォーム-を循環させるシステム。〔1〕では募集看板、シート、のぼり等の掲揚、新聞・地元情報誌の掲載、周辺企業への営業、優良法人との法人契約、セルフ見学システム、同社ホームページへの掲載、地元不動産会社との提携-など、〔2〕では同社システムによる入居審査(信販会社提携)、賃貸借契約書の作成と契約の締結、契約書の保管、入居者住宅総合保険加入手続、入居者教育(ガイドブックの配布)-など、〔3〕では入居者の銀行口座からの引落請求による家賃集金・送金、送金明細書の発行(収入と経費及び入居者名と管理状況報告)、家賃の滞納保障(6ヵ月)-など、〔4〕では定期巡回(空室、共用部、外回り)、共用照明器具等の交換及び定期清掃業務手配、建物及び入居者のトラブル及びクレーム対応、365日24時間管理システム-など、〔5〕では解約手続き、敷金の精算業務、退去立ち会いと修繕箇所の確認、リフォーム及び清掃の手配、鍵の受領と交換及び管理など-を行う。
このシステムの大きな特徴は、家賃の集金を信販会社との提携により、銀行引落で行い、且つオーナーに6ヵ月の滞納保証を行う点。また、365日24時間、大手警備会社との提携で緊急連絡体制を敷き、入居者にも安心を保障している。
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■高性能マンション(ヒーローマンション)で35年家賃保証システム■
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従来のアパート、マンション経営は、築年数が経つと新築時の家賃を据え置くことができなくなり、家賃を計算した返済ができなくなる恐れがあった。
同社の管理システムの導入により、常に維持管理が徹底され、リフォームがその都度行われることで、新築時の状況を末永く保つことで家賃の低下を防ぐことができる。
保険を組み込むことで、最長35年の長期家賃保証システムを採用し、オーナーに安心・安定経営の家賃保証と設備保証で真の安定経営を実現した。
また、ヒーローマンションは「ワッフルワイドスラブ工法」により、7.5m×7.5mの最大32畳の大空間を可能にしたことで、将来のライフスタイルに合わせて自由自在の間取りが可能となり、時代の変化や入居者の要望の変化に容易に対応できるようになっている。
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■今後は管理システムを生かし、指定管理業務にも進出■ |
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福島県では、全国に先駆けて県営住宅の管理業務に指定管理者制度を導入したが、これからは市町村営住宅でも同制度を導入することが見込まれている。
民間のノウハウを生かした効率的な管理ができれば、市町村の財政再建にも貢献することになるため、同社は管理システムのノウハウを生かし、今後は公営住宅はじめ、国、県、市町村が行う指定管理者業務にも積極的に参加して行きたいとしている。
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