田村市常葉町 有限会社タムラ
新たにショートステイ「はこべ」を開設
田村市常葉町で「グループホームはこべ」を運営している有限会社タムラ(渡邉善一社長)は、新たに「ショートステイはこべ」を開設した。平成19年6月に着工し、11月1日にオープンした。ショートステイ単独の施設としては、田村市で初めての設置。
同施設は、先に開設した「グループホームはこべ」の同一敷地内向かい側に建設された。
施設規模は鉄骨平屋建て延床面積579平方メートル、利用定員20名で、全室個室、トイレ5箇所、浴室2箇所、センター部には食堂兼機能回復訓練室を広々とってあり、寝たきりの人もベッドごと移動できるよう配慮されている。
利用料金は、介護保険を適用して要介護1の人で一日2973円、要介護5の人でも一日3255円で利用できる。スタッフはヘルパー17名で、常時10名で対応している。「グループホームはこべ」と合わせると約30名のスタッフで、声かけ、スキンシップを大事にする介護を心がけている。
ショートステイの開設理由について熊田所長は、「田村市常葉町には、重度の要介護者を受け入れてくれる施設が非常に少ない状況です。郡山市内の総合病院から、胃ろうや鼻腔栄養状態で退院せざるを得なかった家族から、郡山から帰されるので入所させて欲しいと直接訪問される方が30件以上ありました。当施設は認知症のグループホームと説明するものの、重度の入所施設は300人待ちと言われるほどの状態で、家族が介護疲れで崩壊してしまうほど時間がかかってしまう現状があります。そんな状況を目にして、重度者を受け入れて介護面を充実できる施設としてショートステイの設置を考えました」と語る。「重度の要介護者が家庭に帰るにも、在宅での介護が乏しい現況では無理なことで、このような要介護者にショートステイを繰り返し利用してもらうことで、在宅生活を支援し続けることができます。そして、最期を自宅で迎えられるのが理想ではないかと思います。もし、それも叶わない要介護者には、終末期の看取りの場所の提供も視野に入れています」と重度介護者の受け入れ施設の重要性を語る。実際に運営を開始すると8割が認知症の方だったとも。
渡邉社長は「小規模多機能型介護施設にすれば補助金を受けられるが、入居者一人一人へのしっかりとした介護を考え、補助金なしでもショートステイ施設にしました。あくまでも利益追求ではなく、介護の必要な人に奉仕することを考えました」と地域の要請に対応する施設づくりを心がけたと語る。
2011年には介護療養型施設が廃止され、介護難民と言われる要介護者が全国で10万人出ることも想定されており、施設数が少ない中山間地域ではほとんどが在宅介護に移される可能性が高い。提携医療機関の青山医院でも、慢性期の患者で都市部の病院から出された患者が増えているという。その中で、胃ろうや鼻腔栄養状態の患者は在宅だけで介護することが難しく、家族の重圧は増すばかり。ショートステイ等の施設の充実が求められている。
問い合わせはショートステイはこべへ。
福島県田村市常葉町常葉字七日市場99
TEL0247-77-2007
FAX0247-77-2039
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