積雪地の無散水消雪舗装に最適
廃タイヤリサイクルの新技術「融雪平板」


東開クレテック(株)土木基礎事業部・土木営業推進部
福島県郡山市富田町字菱内16(TEL 024-962-2282)
■熱伝導率を高めた舗装材
 専門工事業・東開クレテック(株)では、従来のコンクリート平板よりも熱伝導率を高めた「融雪平板」を無散水消雪工法に対応した新技術として提案している。昨年10月に福島県郡山市のビッグパレットふくしまで開催された福島県土木部主催の「建設新技術・新工法プレゼンテーション」に出展し、県内建設企業における先進的な技術開発の事例として注目を集めた。
 融雪平板は、舗装用平板の製造過程で廃タイヤリサイクルカーボン(アイディー環境カラー)を配合することで熱伝導率を高めた舗装材。アイディー環境カラーを使用した融雪平板は、普通コンクリート平板の約1.75倍の熱伝導率を実現している。

 
スタンダードUDカラーバリエーション

■ユニバーサルデザインにも対応
 ユニバーサルデザインに対応しており、表面を波形加工して目地幅を小さくしたことで振動や衝撃を軽減した舗装材。カラーバリエーションも豊富で景観にマッチした色彩を多数取り揃えている。表面には天然石を使用しているものもあり、美しい発色でデザイン性にも優れている。また、ノンスリップライン加工なので転倒の恐れも少なく坂道やスロープの舗装材に適している。
 具体的な特長としては、
〔1〕コンクリートの圧縮強度の向上(10~20%アップ)、中性化遅延効果(5%)
〔2〕熱伝導率の向上
〔3〕太陽光やヘッドライトの照り返しは無添加コンクリートの50%
〔4〕日射吸収率が1.5倍で吸熱効果がある
-ことなどがあげられる。さらに、視覚的な疲労度の軽減や凍結遅延による安全性の向上も期待できる。
 県内では、喜多方市の坂井四ツ谷線歩道で無散水消雪施設として融雪平板を採用した。歩道片側192mに833.2平方メートルを施工し、冬期における市民の通勤・通学など安全で安心な歩行空間の確保に貢献している。

融雪平板を施工した降雪後の歩道
融雪平板を施工した降雪後の歩道

■技術力で循環型社会に貢献
 循環型社会に適した舗装材になっており、融雪平板を1、000平方メートル使用することで廃タイヤリサイクルカーボンをフレッシュコンクリートにセメント量比3%の添加で普通タイヤ約450本分に匹敵するリサイクル量となる。同社では、廃タイヤの不法投棄が大きな環境問題となっている中で、建設技術を通じて自然に優しい循環型社会の進展に寄与するとともに、「地域社会の発展」と「環境の再生」に貢献していくことを目指している。
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