庭屋がつくった“癒しの空間” 郡山緑水苑

福島県郡山市喜久田町赤津(TEL 024-959-6764)
■長い歳月をかけて…
 郡山市の「四季の里・緑水苑」は、郡山市の(株)磐梯苑代表取締役会長である佐久間繁氏(社団法人福島県造園建設業協会長)が、13年の歳月をかけて当初の構想を実現した日本庭園だ。
 秀峰・安達太良山を望む五百川に隣接する10ha(3万坪)の荒れ地とわき水を再生して地域興しにつなげようと、私財を投じて自然型の池泉回遊式庭園「緑水園」を整備し、来訪者に日本庭園の魅力を紹介している。



 園内には、「郡山万葉植物園」が併設されている。日本の現在最古の和歌集である「万葉集」(奈良時代末期~平安時代初期に編纂)には、約170種類の万葉植物が詠み込まれているが、緑水苑では、四季を通して約140種類もの万葉植物が観賞できる。
 庭園内には、池の周りに水芭蕉(3500株)、桜(150本)、石楠花(5000株)、ツツジ(3000株)、菖蒲(30万株)、ラベンダー(6000株)、紫陽花(1万株)などが植栽されている。
 現代において、これだけの規模の日本庭園を、しかも造園業者が自ら造営した例はほとんどない。佐久間氏は、自らを庭屋と称し土日などの休日には、来訪者に庭の良さを語り伝えている。
 歴史、文学、そして緑を肌で感じられる場所であり、「地域の財産」との評価もある。

 

■地域に行楽の場を
 ここは磐梯熱海温泉にほど近く、食事やバーベキュー、芋煮会を行うための設備もあり利用者は年々増えている。
また、自然観察会や写真撮影会、お茶会なども行われているほか、身障者や高齢者に対する福祉活動、青少年健全育成活動の場としても高く評価されている。敷地内では、造園建設業協会の研修も行われるなど、技能伝承の場でもある。
 春には、ツツジ、石楠花、ラベンダーと色とりどりの花が咲き誇り、夏には紫陽花や菖蒲様々な草花が咲き誇る。秋は、木々の紅葉を見ながら、いも煮会なども楽しめる。
 福島と言えば「花見山」が有名だが、四季を通じて楽しめるこの緑水苑も認知度を高めており、観光ツアーなどにも盛り込まれるようになった。

 

【案内】
磐越自動車道 磐梯熱海ICから車で約10分
観覧時間は、春・夏が午前8時30分~午後6時。秋・冬は午前8時30分~午後5時
【館内協力費】
●大人500円 (団体割引400円)小中学生300円(団体割引200円)
※団体割引は20名以上)
Eメール info@ryokusuien.com
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