市場調査、商品力が相乗
ヒーローマンションなど民間伸ばす

(株)弓田建設(会津若松市、TEL 0242-32-0311)
(株)弓田建設(本社=会津若松市町北町大字藤室字藤室721の1、弓田八平社長)は、土木工事やロードメンテナンスなどの公共事業と並行し民間分野に力を配分、現在は売り上げの約8割が民需に移った。主力は平成10年にフランチャイズに加盟した賃貸住宅ヒーローマンションで19年10月にはマーケティング室を開設。どの場所にどの程度の需要があるか調べる。
 受注・建設のみの形態を止めて、土地利用から計画、得意とする工事、入居や施設のアフターケアまでの仕事を一貫して展開する。同社が掲げる「建設サービス業」の考えは、ハードとソフトがかみ合い、顧客の安心感にもつながり需要は伸びている。不動産の入居率に100%がないのが業界の常識だが、同社のヒーローマンションは98%台で、19年は建設戸数で全国2位の実積となった。会計事務所と共催で資産運用など「税務相談会」も開き、施主へニュースを提供、付加価値を高めている。
 市場調査に加え、ヒーローマンションの商品力自体も高い。高い遮音性と高気密、高断熱の構造は暖房費などの減につながる。商品力は建設コストも抑え、住む側、造る側両方がエコ住宅を実感できる。  このほかアパマンショップ会津若松店(会津若松市大町)、Rooms郡山店(郡山市富田町)など不動産業とも連動し、商業店舗部門を近く開設する。需要動向などを調べ、空き店舗の再利用や、人が集まる場所への店舗出店なども手がける。
 弓田社長は「会社の発展は地域社会の発展とともにあるもの」と話す。その一つが防犯パトロールに当たる会津葵隊の活動で、同社の関連会社・グリーセス(星亨社長)など市内の警備会社6社で構成する。毎週2回、夜間に市内32の小中学校をパトロールする。落書きや、プールに花火が投げ込まれる案件など学校での非行は確実に減少した。警察ではない自分たちがどこまでできるのか、事故があったら-など課題もあったが、賛同者が集まり、地域防犯の頼れる存在となった。
 このほか鶴ヶ城のお堀の清掃、幼稚園の除雪ボランティアなども行う。建設サービス業といっても「過剰なサービス」ではなく「地域とともに」を貫く。

(社員も参加する鶴ヶ城のお堀の清掃)
(社員も参加する鶴ヶ城のお堀の清掃)
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