阿武隈高原に新観光拠点
雇用確保へオートキャンプ場経営

(株)石覚組(小野町、TEL 0247-72-3011)
 小野町の(株)石覚組(石井幹也社長)が新分野進出事業として経営に乗り出したオートキャンプ場「メモリーキャンプビレッジ」は、17年5月のオープンから丸3年を迎えようとしている。これまで関東圏からの家族連れなど年間平均約1,500人が来場し、リピーターも増加してきている。施設整備はほぼ完了したことから、今後は広告・広報に力を入れて集客を図り、事業を軌道に乗せていく方針だ。
 公共事業費の削減などと共に、本業の事業量も減少する中、遊休人員をつくらずに雇用を確保するため、新規事業として取り組んできた。キャンプ場は阿武隈山系日影山の中腹、標高500mに位置する同町吉野辺字鍋鷺27の4地内に16年から整備を開始した。
 広々とした3万7,000平方メートルの敷地内に芝のテントサイト(約80平方メートル)が20区画、バンガロー5棟、サニタリー棟2棟、クラフトハウス、バーベキューハウス、管理棟(売店)、温水シャワー室、洋式水洗トイレ、多目的広場などが整備されている。場内ではイワナ釣りや芝ぞり、ドラム缶ピザ窯でのピザ焼き、薪割りなども楽しめるほか、夏季には自然の木を生かしたカブトムシハウスも設置される。また周囲には、あぶくま洞やリカちゃんキャッスルなど多数の観光スポットが存在し、磐越自動車道の小野ICからも車で約10分とアクセス面でも優れている。
 施設の運営(営業期間4~11月)は同社の石井敏也常務を中心に、すべて社員で行っている。施設整備や清掃、来場者の受付、木工・薪割り体験教室での指導など本業とは違う「サービス業」でのスタッフとして、新しい仕事に取り組んでいる。
 石井常務は「建設業を取り巻く環境が厳しい中、従業員の雇用の確保を図るために進出した事業。今年5月の予約が入るなど、リピーターも増加してきている。今後は集客を図るため、ホームページの充実や専門誌などへの広告に力を入れ、特に都会の方々にPRしていきたい」と抱負を語った。

(キャンプを楽しむ来場者)
(キャンプを楽しむ来場者)
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