宅地建物取引業者として分譲地を開発販売
~宅地建物取引業者の免許を取得し不動産業へ~


福島市 (株)日新土建工業所
福島市南沢又字前田13-7 (TEL 024-557-5511)
 日新土建工業所(桃井三夫社長)では、建設産業の環境が厳しく収益確保が容易でない状況下、営業の窓口を広げる必要があった。同社所有の遊休地の有効利用を考え、同地を分譲販売することを手がかりに宅地建物取引業に進出し、収益の増加に資することとした。宅地分譲なら比較的溶け込み易い業種と判断し、この分野への進出を決定した。
◆「さおとめ南団地」の宅地分譲販売を開始
 平成15年10月から同社所有の遊休地(福島市平野字八升蒔地内)に、「さおとめ南団地」として7区画(約3,300平方メートル)を宅地化し、分譲販売を開始した。同地は東北自動車道飯坂インターチェンジに隣接する交通の便に恵まれた地区。隣接して「さおとめ団地」があり、住宅地として適した場所になっている。

分譲した さおとめ南団地
(分譲したさおとめ南団地)


 宅地建物取引主任者の資格を持つ、同社の高橋一亥参事は「今まで、建築業者は不動産業を取得しているところが多かったが、土木専業の業者は不動産業に進出していなかった。宅地造成は自社の従業員と重機を使ってできたので、初期投資をかけないで進出できた」と自社の人、モノを有効活用することでスムーズに進出できたと語る。同氏は平成6年に宅地建物取引主任者の資格を取得、平成14年に同社に入社するまで、その資格を活用することがなかったと言う。平成15年に同社が宅地建物取引業免許を取得したことで、宅地建物取引主任者として本格的に活動を始めた。

高橋一亥参事
(高橋一亥参事)


◆今後の展望
 同社は他にも2~3箇所の遊休地(資材置場等)があり、それらも宅地分譲を検討している。現在は高橋氏が本業と兼任であるが、いずれは専任者を置くとともに新規雇用も考えており、徐々に本格的な不動産業に進出する計画。当事者として売買・交換を行うほか、代理・媒介による売買・交換・貸借なども行っていきたいとしている。
 公共工事の減少は著しく、競争の激化で収益性が望めない中、自らが仕事を創り出していくことで、この難局を乗り越えていこうとしている。特に、土木専業では公共工事への依存度が高く、民間工事が期待できない現状から、自社施工による宅地分譲で生き残りを考えている。

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