地域での役割掘り起こす
介護サポートセンターを運営


南会津町 (株)舘岩工務所(TEL 0241-78-2224)
 (株)舘岩工務所(南会津町松戸原223、芳賀博之社長)の介護サポートセンター・さくらは、各地の介護施設ケアマネージャーなどと連携し、介護用品のレンタル・販売のほか、スロープの設置なども手がける。
 同社常務で、営業を担当する早山明俊氏は「手すり、段差解消などの支援もやり過ぎ、行き過ぎた対応はできないし、するつもりはない」と話す。あくまでも高齢者の自立が主体で、企画安全課長の芳賀忠男氏、ホームヘルパー2級を取得した穴澤幸一氏らと、南会津、下郷、昭和、遠くは西会津まで訪問活動を続ける。
 18年の介護保険法改正で、増加傾向にあった福祉用具貸与事業者も減少に転じた。規制もあり参入も難しい中、同社は事業者の指定を受けた。「建設業の感覚では介護事業は難しい」などの指摘も受けたが、もはや高齢化社会ではなく高齢社会となった南会津地域で、地域に需要がある介護事業に参入した。同町では65歳以上の一人暮らしか高齢者のみの世帯が全体の約25%を占める。
 建設業として、公共土木のほか建築でも実積があるが、現状では雇用に貢献するほどの完工高へ伸ばすのは難しい。一方で地域の中では「除雪や地域の行事など、建設業なら何とかしてくれる」といった期待も大きい。建設業を継続するために新分野に取り組む。
 「紙おむつの配達など訪問機会を増やし、高齢者の身近な存在に」。建設業とは単価も大きく開きがあるが、長寿社会文化協会が進める介護の技能検定試験に挑戦するなど、各自が専門性を高めている。
 社内には工務課、介護分野など部署は違うものの、「お客様の立場を考え、問い合わせなどには部署の区別なく対応できるよう心掛けている」と早山常務。実際に介護ベッドの使用方法など社内で研修を続けている。
 町の行事にも参加し、ブースも設けて展示会なども開く。町内のゴルフ場がゴルフだけでなく町民参加の様々なイベントを計画しており、こうした施設とも連動し、相乗効果を生み出す。土木、建築の役割から、その延長線上にある「地域の需要」に活動の場、幅を広げている。

工務に携わる社員も参加した研修
(工務に携わる社員も参加した研修)


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