森林に新たな可能性
会津いまっと木サイクル創造事業
建設業と地域の活力再生に連携


会津若松市 会津土建(株)(TEL 0242-26-4500)
 会津土建(会津若松市追手町5の36、菅家洋一社長)が立案し、広く協力を呼びかけた「会津いまっと木サイクル創造事業」は、国土交通省が今年度に全国から選定した「建設業と地域の元気回復助成事業」104件のうちの1件に選ばれ、このほど協議会を設立した。
 協議会には、地元自治体1市5町2村ほか、県建設業協会(三瓶英才会長)らも参画。新たな分野で建設業の現状打開を探る。
 23年2月10日までに、「木材活用」と「森林活性化」の事業化可能性を検討し、会津若松管内の森林資源を生かすアクションプログラム試行の結果を踏まえ、報告書を同省に提出する。
 建設関連産業の森林業に着目した取り組みでもあり、木材等の入手~加工~流通~使用-のリサイクル過程に、建設業の新たな雇用・収益の機会を見出す。
 今年度の元気回復助成事業には、このほか会津管内で「尾瀬を源流とする伊南川の多様性回復とふれあい創造事業」(奥会津元気回復協議会)も選ばれている。
 菅家社長は、最終的に両事業が連携することで、会津地域の活性化に取り組む考えを示している。
 会津いまっと木サイクル創造協議会の推進体制は、ワークショップやプロジェクトチーム会議で全体を統括する事業推進会議のもとに、2つのテーマである木材活用と森林活性化の方策検討のグループで構成。
 それぞれ、今年度に講習会で現状の把握に努めるほか、22年度実施のアクションプログラムを検討する。
 全体的な視野から、すでに日本コンサルタントグループに各種調査とプランのとりまとめ作業を委託しており、農・林業、福祉、観光などの異業種との連携にも踏み込む考え。22年度には、早々にもアクションプログラムを実施する予定。
 進捗状況を確認しながら、9月末を目途に、「木材活用」については〔1〕林建共働による森林管理②間伐の試行的実施-に、「森林活性化」については〔1〕森林活性化に向けた体験プログラム等の試行的な実施-に取り組む。
 事業推進会議は、これら評価・検証を踏まえて提言を取りまとめて報告書を作成し、23年2月の総会で承認を得たいとしている。
 事業計画と会員は次の通り。
 【事業計画】◆調査▽対象地域の現況・資源・取組など(現状把握、既存調査等から資源の分析と可能性を評価)▽里山資源の有効活用に向けた課題(地域活性化・事業展開、林建共働に向けた課題抽出)▽元気回復に向けた地域経営戦略の検討(地域経営の視点で元気回復の目標と戦略検討)▽木材活用方策の検討▽森林活性化方策の検討▽元気回復に向けたアクションプログラムの検討◆意識情勢活動▽フォーラム開催▽広報活動◆アクションプログラム試行と評価▽木材の活用(会津坂下町有林を先行し管理システム導入と木材収集、運搬、加工の試行的実施)▽森林活性化(自然環境をフィールドに体験プログラム等実施)
 【会員】県建設業協会、会津若松市、会津坂下町、湯川村、柳津町、三島町、金山町、昭和村、会津美里町、県立会津農林高校、会津若松地方森林組合、北陸建設弘済会会津若松支所、環境活性化委員会(会津土建、滝谷建設工業、佐久間建設工業、大和建設工業、山十建設、栗城馬場工業、金子建設、マルト建設、入谷建設工業、丸庄工務所)

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