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奥会津杉で割り箸を製造
~木材の利活用で森を育てる~
金山町 山十建設(株)
(TEL 0241-56-4116)
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金山町の山十建設(滝沢康成社長)は、奥会津杉の不要木材及び間伐材を利活用した割り箸「杉元禄箸」の製造・販売に乗り出した。
「環境問題等から中国産の割り箸がやがて輸入されなくなるとの見方が出ていること、奥会津地域には倒木され放置されている多くの木々があることなどから、木材の利用を通して森林環境の整備・保全にも役立つとの思いから、奥会津杉を利用した割り箸の製造・販売を考えた」と滝沢社長=写真下。
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国内で有数の割り箸製造機器メーカーが北海道にあると聞き、現地に飛んだ。本格的な調査・研究は、福島県の「建設業新分野進出事前調査支援事業費補助金交付事業」を活用、平成20年度に申請・交付決定を受けて行った。計画の見通しが立った平成21年の年末から工場の建設に着手し、平成22年4月から製造を開始した。
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月あたり最大37万本を製造 |
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事業展開にあたっては、新たに「奥会津エコリード㈱」を設立し、金山町大字横田字高根沢地内に工場を設置。工場内には製造に必要な一連の機器を揃え、1日あたり最大1万7000本、月あたりでは最大37万本の割り箸を生産できる体制を整え、年商1000万円を目標に販路拡大にも取り組んでいる。
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木の利用で森を育てる |
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割り箸を生産する材料は、すべて奥会津杉。不要木材や間伐材の利用促進が森林環境の整備にも繋がるほか、生産・製造過程で出る木屑や使用済み箸なども、無駄にはしない考え。これらは、すべて乾燥機の燃料として利用しているほか、その熱を利用したハウス栽培等にも挑戦する構想を持っている。木の一切を無駄にしない滝沢社長の信念は、商品に「もりもり<森守>箸」と名付けた愛称からも窺える。
販路は、地産地消を原則とする観点から町内や隣接地域の民宿、食堂等が主流。一部、東京都内のそば店にも納入している。今後は、近隣5町村の民宿、旅館、公営施設等にも拡大していきたい考えであるほか、各種イベント会場等において、お土産用「包装12本セット」の販売も検討する方針。
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平成23年7月新潟・福島豪雨で被災 |
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7月末に新潟県と福島県を襲った集中豪雨により、工場が床上浸水し、機械も故障した。滝沢社長は「機械の修理に1ヶ月程度を要するが、その間は在庫で対応できる見込み」とし、顧客への納入に支障が出ないよう取り組んでいる。修理した機械の再設置等を経て、10月内には製造再開できる見通しとなっている。 |
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