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観光につながるものを
しもごう農園設立、原木しいたけ生産
下郷町 (株)渡部工務所
(TEL 0241-67-2346)
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下郷町の渡部工務所(渡部勝男社長)は、平成23年12月に農業法人しもごう農園(同社長)を設立し、原木しいたけなどの生産を開始した。
同社は、土木分野の技術に定評がある。今回の只見川豪雨災害でも、田子倉ダム直下流の深い水の中、工期内に完成させることは至難と見られていたが、社長をはじめ会社全体のバックアップで現場をまわし、施工力の高さを立証した。
建設業としての本業は順調に展開するも、例年3月から5月ぐらいは端境期で仕事がない状態が続く。「何かをやりたい」という思いは経営者のみならず社員も感じており、数年前から解決策を考えていた。
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会社の空き倉庫で栽培する原木しいたけ |
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生産者として販路開拓や栽培技術に長けた農業のプロや、行政機関から情報を集め事業を展開。30歳代の社員など新たに3人を雇用。単価が高く商品価値の優れたマイタケなども栽培する。考え方も十人十色。社員にはアンケートを実施し、ここには固定観念は存在しない。
付加価値が高い原木しいたけ生産に加え、地域内で後継者が急激に不足している水稲栽培も開始した。現時点で水稲売上高が一番多い。資材置き場など自社の空き倉庫なども活用。現在6haの農地は10ha程度まで増やす。後継者がいない地域の農地を借り受けするなどし、規模を拡大することで採算性を高める。
下郷町商工会長も勤める渡部社長は、他地域の商工会等と連れ立って国土交通省など行政機関にも足を運ぶ。地域あっての建設業。南会津・下郷の場合、大内宿など観光産業の収益が高い。観光客に多く来てもらうには安全な道路整備も重要であると、常に、建設業は他産業とつながっていると感じている。
同商工会では「100万年ウォーク」とイベントを展開。阿賀川沿いの渓谷など100万年かけて造られた自然、周囲の文化を楽しみながら歩くもので、首都圏からも多くのウォーカーが訪れる。自社栽培した原木しいたけなどは、こうしたイベント時にも販売、売り上げを伸ばしている。
国道289号甲子トンネル開通で、会津には南からも北からも入ることができる。首長らと首都圏の大手エージェントを訪問し、教育旅行や個人旅行を企画するなど、訪問先ごとに違ったアプローチをする。マーケティングにもだいぶ慣れてきた。
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