住宅型有料老人ホーム「Lively Home悠里」開所
地元への感謝をこめて・接遇で最高のサービスを提供


会津若松市 秋山ユアビス建設(株)
(TEL 0242-27-3770)
 会津若松市の秋山ユアビス建設(秋山幸広社長)は平成24年11月、市内門田町地内に住宅型有料老人ホーム「Lively Home悠里」をオープンさせた。利用者が「悠々自適」に笑顔で過ごせる空間を提供するため、職員の「接遇」を最大のセールスポイントに低価格な家賃で最高のサービスを提供する。同社の新分野進出は21年度に認定を受けた労働安全コンサルタント業と合わせ2事業目。

秋山幸広社長悠里全景
秋山幸広社長と悠里全景
 悠里は、市内門田町黒岩字石高117の9地内の同社社有地を活用した。施設はS造2階建て延べ2620平方メートル規模で、全室個室型の居室数は61室。デイサービス悠里と訪問介護ステーション悠里を併用する。施設の管理および運営は同社子会社の有限会社福島メンテナンスが担っている。
 福祉分野への進出を決めたのは平成22年2月ごろ。公共事業が激減していく中で社員数、重機類、固定資産の処分など見直しを余儀なくされた。特に利用されていない土地は、地価の下落により経営事項審査に影響を及ぼすことから処分の対象となった。簿価割れ処分を避けるため、まず取り組んだのが一戸建て賃貸マンション建設。そしてこれから迎える高齢化社会に対応した福祉事業への利用だった。
 施設の設置や運営に当たっては、地元住民への感謝の気持ちから高額な入居料(初期費用)と家賃(月額利用料)を必要としない低価格な施設の実現を目指した。専門のコンサルタントと検討を重ねて入居料10万円、家賃10万円以下の低価格な料金設定を実現した。
 計画から開設まで、行政への申請・手続きなどに時間を要したがおよそ2年8カ月後の24年11月21日、現地に開所した。スタッフは、住宅型老人ホーム、デイサービス、訪問介護の3事業所に各規定人数を配置。オープニングスタッフは開所前に接遇や介護技術などの職員教育を徹底、中途入社の職員に対しても研修期間を設け各部署で必要な研修を実施した。サービス向上のため部署ごとに毎月テーマを決めて勉強会も開く。
 「最高の笑顔で最上のおもてなし」私たちは、ご利用者様が毎日笑顔で〝ここ〟に住みたいと思う施設(家)を目指します。そして介護支援のプロとして、信頼される福祉を目指します―を企業理念に定めた。「利用者を尊敬し満足いただける環境づくり」を提供するため、利用者への「接遇」を最大のセールスポイントに〔1〕いつも笑顔で元気に接します〔2〕ご利用者様は家族同様真心こめて接します〔3〕相手の気持ちになりやさしい心で接します〔4〕尊厳と感謝の気持ちを持って接します〔5〕ご利用者様の笑顔は私たちの宝物です―の心を職員は常に持ち、最高のサービスを提供する。職員は全員地元から採用。26年1月末現在の雇用者数は32人で雇用確保への貢献も大きい。

コリドール ヒノキの大浴場 中庭
左からコリドール、ヒノキの大浴場、中庭
 
 福祉施設は、なぜか近寄りがたさを持つものだが幹線道路に面したエントランスと中庭は、地域へ配慮した開放的で明るい空間となっている。建物は1階に機能訓練室(床暖房)や食堂および厨房、相談室、ヒノキの大浴場、個浴室などを備え、2階にも食堂のほか談話室、理美容室などを配したS造2階建て延べ2620平方メートル。1階エントランスから続く開放的な「コリドール」は温かみのある空間で入居者とその家族らの団欒、コミュニケーションの場として利用され、窓の外に広がる緑豊かな中庭と合わせて安らぎと安心感を提供する。中庭では屋台などを設置して夏祭りなど四季折々のイベント会場としても活用される。
 秋山幸広社長は「まだスタートしたばかりで課題は多い。まずは悠里をしっかり運営すること。スタッフ全員で知恵を出し合いながら、すべての利用者とご家族に満足いただける施設に作り上げていきたい。本業の建設業とともに、福祉事業の支援もしっかりと取り組んでいきたい」と決意を語る。

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