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業種の垣根を越えた試み
仮設プラントで25万t以上の生産目指す
南相馬市 相馬地区復興生コン有限責任組合
(TEL 0244-23-2871)
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震災からの復旧・復興に向けて工事量が激増している相双地区では、人手不足・資材不足が深刻だ。特に供給体制を縮小してきた生コンの確保は応急復旧段階から問題視されてきた。
相双地方の生コン供給は震災前、公共事業削減でプラントの合理化が進み、その生産量は縮小していた。これに加え、原発事故で南相馬市以南の施設が使えない状況となり、県建設工事復旧・復興相双地方連絡協議会などでも生コン不足による復興の遅れが懸念されていた。
今後5年間に25万立方メートル程度の不足量が判明したことから、県や市町は施工者側に生コンクリートプラントの確保を要請。県建設業協会相馬支部(草野清貴支部長)で検討を進めた結果、自前の供給体制構築を決定し、新たに相馬地区復興生コン有限責任組合(小野貞人代表理事)を設立して仮設プラント・相馬復興生コンによる生コン供給に乗り出すことになった。
仮設生コンプラント設置の実績がある新潟市の新和商事と具体的な交渉を重ね、県建設業協同組合、相双地区建設業協同組合を通じて日本コンサルタントグループにコンサルティング業務を依頼し組織を整えた。
事業運営は、組合契約を基礎に形成する企業組織体の有限責任事業組合(LLP)とし、同支部の10社と地元生コン事業者2社が参加した。執行契約行為責任者・代表理事に小野貞人小野建設社長、会計担当責任者・専務理事に石川俊石川建設工業社長が就いた。
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平成25年9月に行われた安全祈願・出荷式 |
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平成25年9月5日には、完成したプラントで安全祈願と出荷式を行った。席上、小野代表理事は「震災・原発事故から2年半の間、地域の復旧に全力で当たってきた。これから本格的な復興に向かう中で、建設業と生コン製造業の垣根を越えた事業が始まる。災害復旧の成功事例となるよう無事故・無災害に万全を期したい」とあいさつした。
石川俊専務理事は「組合による先駆的な取り組みとなる事業だ。行方不明者捜索から、がれき撤去、応急復旧に携わった体験がなければ、私たちはこの事業リスクに挑戦しなかった。被災地地元建設業の決断だ」と経過報告を行った。
組合と仮設プラント設置期間は5年間で25万t以上の生産を目指す。LLP本部は南相馬市原町区の支部事務所に置き、仮設プラント、事務所、従業員宿舎は相馬市赤井の旧相馬開発生コン跡地に整備した。生コン製造、現場までの搬送は新和商事が行っている。
同プラントには従業員22人を配置。セメントサイロ3基、コンクリートバッチャー1基が設置され、ミキサー車15台体制でスタートした。組合は月に1度、幹事会を開き、品質面と出荷状況の報告を受け、材料の調達や納入時間の調整など課題を検討している。
災害復旧現場では土工事がある程度進捗しており、コンクリート工事が本番を迎えることから、プラント稼働時間の延長やミキサー車等運搬車両の増強などを検討する見通しだ。
組合構成員は次の通り。
猪狩組、石川建設工業、石川林業建設、小野建設、草野建設、庄司建設工業、関場建設、東北建設、平澤建設工業、横山建設工業、加藤建材工業、東北商事
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