人材と保有車両を有効活用
一般貨物自動車運送業に本格参入


猪苗代町 渡部産業(株)
(TEL 0242-62-2166)
 渡部産業(猪苗代町、渡部寛規社長)は、平成22年度から一般貨物自動車運送事業に本格的に乗り出し、26年12月15日付で県から建設業新分野進出企業認定を受けた。同社は20年度にアグリ分野(サンチュのハウス栽培)への進出で同認定を受けており、今回が2回目の認定となった=写真・認定証を受け取る渡部社長(左)。
   「わが社は自社の人材と保有資産などを活かして、何ができるのか、少しでも前進しようということを考えている」と語るのは、高田任治専務。公共事業費が減少し続けていたさなか、トラック等の車両と従業員をより有効活用する観点から、一般貨物自動車運送事業への参入検討を22年4月に開始。本格参入するに当たっては、同事業法に基づく国の許可が欠かせないため、許可申請手続きに取り組んだ。厳しい審査基準をクリアして、同年9月に許可を得て、営業を開始した。
 当初は車両12台でスタート。雪国ならではの「雪上車」をはじめ、大型そば刈り機械やコンバインなどの農業系機械、建設重機、製品等運送の需要に応え、順調に業績を伸ばしている。27年2月現在、車両は4台増の16台で事業展開し、雇用創出にもつなげている。

保有車両の一部、ナンバーは全て緑ナンバー
保有車両の一部、ナンバーは全て緑ナンバー
 
 同法に基づく許可を得るためには、従業員の健康診断や適性検査の実施、車両の状態や走行距離などのデータを収集・報告するなど、厳しい管理基準が設定されている。高田専務は「一般貨物自動車運送事業に乗り出したことで、雇用や余剰資産の有効活用にもつながったが、それ以上に安全管理意識が向上し、本業にも影響を与える相乗効果が生まれたことが会社にとっては大きい」と語る。
 営業エリアは地元を中心に県内をカバー。取扱貨物は現在、復旧・復興工事の需要を反映し、建設工事関係が多い。雪上車や農業系機械は季節が限定するため、取扱貨物の拡大が今後の課題としている。

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