「地域内発型」の事業展開
NPO只見ぶなの木倶楽部
只見町建設業協会11社のメンバーを中心に立ち上げたNPO只見ぶなの木倶楽部(五十嵐博之会長)が、平成15年10月の設立から4年目を迎えた。建設産業の機動力を生かし、高齢化、豪雪など只見の地域特性に合った「地域内発型」の事業を展開している。
どこまでをボランティアと定義するかは様々だが、これまで町内高齢者宅の福祉除雪や、公益的なイベントの企画などの実績を積み上げている。16年3月には「NPOってなあに~ココロおこしの一歩から」と題し講習会を開催。建設のほか一般を含め約60人が参加した。17年豪雪の際は美馬建設など町内各社が排雪に取り組んだ。
新潟との県境・国道252号六十里越峠では、冬季閉鎖から再開通した峠を、ごみ拾いしながら散策、新潟側から登ってきた参加者と県境で交流を深めるなど、地域住民の参加も得てその輪は広がっている。民間企業と行政の協働を柱に、公共施設の維持・運営も計画している。
隣接している新潟とのつながりも深い。今年7月16日に発生した新潟県中越沖地震の際、2日後の19日に五十嵐会長と事務局の目黒典子さんが現地に入った。柏崎市東栄町の自治会長と話をし、先方から「ぜひお願いしたい」と信頼関係はさらに深まった。土のう袋が不足していることが事前に分かったため、町内から集まったブルーシートやカップ麺と合わせ、必要分を準備して22日に役場職員や建設会社の社員らと再び柏崎へ。市役所に近い中央公園で約450食もの炊き出しに当たった。そのときの感謝の声を綴った手紙も法人宛に届いている。
同行した建設会社社員からは「この壁は支柱が必要だ」「この区域は人が入れないように手配しないと危険」「このブロック塀はこのままでも安全だ」など、その場その場で的確な指示が出された。日常の経験、現場力、段取りが生きていると、あらためて感謝の気持ちがわいた。「支援に行っていながら、現地の人とのかかわりの中で何かを得たような気持ちになった」と目黒さんは話している。
公園内での炊き出しの様子
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