「安全・安心のまち建設隊」
くまなくパトロール


福島県建設業協会郡山支部会員・市内建設業者
事務局/郡山市台新1丁目33-5
    TEL(024)922-1853・1814 FAX(024)938-0085
1. 設立の契機と発隊式
 平成16年3月頃、県内で少年、少女への声かけ事件が増加、また、空き巣狙いも頻発していた。ある会合で郡山警察署長と懇談したところ、署長から「建設業界は河川、道路の清掃奉仕作業や災害危険箇所点検、応急作業等のボランティア活動を行っているが、小学生への声かけや連れ去り事件への防犯協力もお願いできないか」との言葉から、「協力しよう」と言うことになり、平成16年4月2日に「安全・安心のまち建設隊」の発隊式が行われた。
 隊員は81社から206名が参加し、隊長に佐藤彰宏県建設業協会副支部長が選ばれた。隊員には隊員証が配布され、車の側面には「くまなくパトロール」のステッカーを貼った。

「くまなくパトロール」

 佐藤隊長は「ここ郡山市は、県内の交通網、経済の中心地であることから、犯罪(被害)の発生も県内一多い地域。次世代の担い手である子供たちを犯罪から守り、市民に防犯意識を啓発していくことが重要であると強く感じた。私達は住み良い地域社会づくりに役立つため、『くまなくパトロール』をスローガンに『安全で安心して生活できる地域社会』の実現のため、貢献することをここに表明する」と郡山警察署長の前で誓った。
2. 犯罪通報で…貢献第1号、小学校でも啓蒙活動
 平成16年4月27日に隊員の中野暁さん(むさし建設)が、郡山市清水台地内をくまなくパトロール中、不審者にからまれている少年2名を発見、直ちに警察署に通報し、被害者の保護と恐喝犯人の逮捕に協力した。中野隊員は「隊員でなく、普通に歩いていたら見て見ぬ振りをしていたかもしれない」と述べ、隊員としての自覚が事件を未然に防ぐことにつながったことを明かした。
 郡山警察署から感謝状が授与され、マスコミ報道により建設業のイメージアップに大きく貢献することにもなった。
 また、平成17年5月11日には、隊活動を広く認識して貰うために警察署の要請に基づき、郡山市立大槻小学校を訪問して小学生にPR活動を行った。
3. 社会貢献活動推進月間で全国建設業協会会長表彰を受賞
 平成19年7月27日、建設業社会貢献活動推進月間の功労者表彰に「安全・安心のまち建設隊」が選ばれ、東京の経団連会館で前田靖治全国建設業協会長から表彰状が伝達された。この表彰は平成18年から実施され、今年で2回目の表彰。災害復旧支援、防災支援、環境美化、防疫活動などが表彰対象となっている。

<表彰状を手にする佐藤隊長>
<表彰状を手にする佐藤隊長>
4. 活動の存在感と継続性
 建設工事現場で道路、橋、河川工事やビル建設などものづくりはじめ、ボランティア活動として清掃奉仕活動など目に見える活動を行ってきた。しかし、「くまなくパトロール」活動は、犯罪防止に役立つことを願っての活動で、効果が表れたかどうかというのは、なかなか難しいことで目に見えにくいもの。「俺達は見逃さないぞ」「しっかり見張っているぞ」「何かあったら通報するぞ」と存在感を示し、抑止効果を引き出すことも重要。そのため、少し「ハデめ」のステッカーを貼り、建設工事のある街中、山道、農道を走り続けて行く長期的視点に立っている。
 発隊4年目を迎え、佐藤隊長は「安全安心は業務である国土保全とともに、心の安全安心を構築したい」と語るとともに、「公共工事の担い手として、地域と最も密着する業界としての誇りを持って貢献したい」と決意を示している。
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