家畜伝染病に備え万全
県と防疫業務に関する協定を再締結
(社)福島県建設業協会
県建設業協会(三瓶英才会長)は22年8月31日、県と「家畜伝染病における防疫業務に関する協定」を再締結した。
県内で高病原性鳥インフルエンザが発生した場合の迅速な防疫対応等を図るため、県は20年3月に県建設業協会、同12月に県ペストコントロール協会、県動物薬品器材協会と協定を締結。伝染病発生時に、迅速な殺処分鶏の埋却作業、消毒ポイントにおける車両消毒、防疫資材の確保などの協力体制を構築したが、22年4月に宮崎県で口蹄疫が発生したことを受け、新たに口蹄疫も対象に加えた。
協力要請業務の内容は、〔1〕処分家畜、家きん、汚染物品の埋却場所の掘削作業、〔2〕処分家畜、家きん、汚染物品の埋却場所への搬出作業、〔3〕処分家畜、家きん、汚染物品の埋却作業。業務実施に要した費用は県が負担する。具体的な流れとしては、県側からの協力要請を受けて県建設業協会の支部が会員を推薦。掘削、搬出、埋却の各業務を履行する。年末・年始など長期の休みの時には、万一の場合に備え各支部長および事務局長の自宅などに緊急連絡できる体制も整備している。
写真は協定書を披露する三瓶会長(左から2人目)
協定締結式には、県から鈴木義仁農林水産部長、県建設業協会の三瓶会長と
専務理事らが出席。協定を結んだ後、鈴木部長が「宮崎の状況を見て、改めて家畜伝染病の脅威と初動対策の重要性を痛感した。各団体には、発生初期にきわめて重要な役割を担っていただくことになる」と協力に感謝の言葉を述べ、3団体を代表して三瓶会長が「それぞれの専門性を生かし、協力して県民の安全安心のため最善を尽くしたい」と話した。
契約締結後、宮崎県の口蹄疫は沈静化し「口蹄疫清浄国」に復帰したが、韓国では23年1月21日現在の情報で、4466農家の家畜約231万頭が殺処分の対象となるなど大きな広がりを見せ、予断を許さない状況が続いている。
また、高病原性鳥インフルエンザは宮崎、鹿児島、愛知、大分、島根の各県で次々と発生。本県でも、23年1月4日から10日にかけて郡山市豊田町(豊田浄水場)で市職員が計7羽の死亡した野鳥(キンクロハジロ)を発見。うち4体についてA型インフルエンザウイルス遺伝子が陽性と判定され、詳細検査により強毒性(H5N1亜型)であることが確認された。さらに同23日に見つかった死亡野鳥1羽、2月10日に橘高校屋上で見つかったコハクチョウ1羽についても強毒タイプと確認されるなど、十分な警戒が必要になっている。
全国建設業協会を通じた国土交通省のまとめ(1月31日時点)では、宮崎県や鹿児島県では、地元建設業協会の会員企業が殺処分された鶏などの埋却作業や、車両などの消毒作業に昼夜を問わず懸命に対応。愛知県豊橋市でも、協定に基づき愛知県から要請を受けた建設業団体が殺処分された鶏の運搬と埋却作業に当たっているという。
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