継続的に被災者支援活動

石川町 (株)福産建設
(TEL 0247-26-3355)
 石川町の福産建設(吉田一治社長)は、東日本大震災発生以降、様々なレクリエーションイベントによる被災者支援活動を継続的に行っている。
 同町には、広野町、楢葉町からの避難者が多く、町民体育館などの一次避難場所では最大で約500名、2次避難場所となった八幡屋などの温泉旅館でも約300名が避難生活を送った。
 慣れない土地での生活や将来への不安など、長期に渡る避難生活でストレスが極限に達している避難者に対し、地元住民として何か手助けは出来ないかと話し合いを重ね、遊びを通したリフレッシュの場の提供を考案した。
 思いきり羽を伸ばせる適所として、スポーツ施設や散策路などが充実しており、イベントの開催も多い福島空港周辺を選定。空港公園関連工事を請負っていたこともあり、主旨に賛同した協力会社もイベントへの協力を快諾したほか、近くの冠婚葬祭場は送迎用のバスを提供するなど、同社を中心に支援の輪が広がった。

 
 
 第1回目は5月22日、福島空港公園で毎月開催されている「空港公園ふれあいデー」に招待した=写真上。
 社員がマイクロバスを運転し、高蔵内温泉、八幡屋などの避難所から33名を空港公園エアフロントエリアまで送迎。
 会場では、おもしろサイクル体験、とんぼ玉づくり体験、ノルディックウォーキング体験、スチールパン演奏会など親子で楽しめるイベントが数多く催されており、子供たちは日頃のストレスを発散するかのように元気に走り回った。

 第2回目は6月19日、広野町の親子連れを福島空港公園緑のスポーツエリアに招待、社員や社員の子供、協力会社の担当者も一緒になり、総勢約30名でボール2個を使用したドッヂボール「ダブルドッヂ」で汗を流した=写真下。

 
 
 途中、近くでサッカーをしていた子供たちも飛び入り参加するなど、子供同士のふれあいの場となったほか、大人にとっても避難生活で鈍った体をほぐす絶好の機会となった。

 第3回目は7月22日、須賀川市市民の森でクラフト製作等ものづくり体験教室を開催した=写真下。

 
 
 約30名の親子連れが参加。須賀川市在住の主婦阿部亮子さんと吉田美智子さんに講師を依頼し、手作りマグネット(ホイップデコリーナ)や動物などのクラフト作品を制作したほか、菓子店の協力によるお茶会も開かれた。
 子供たちは出来上がった作品を見せ合うなど、楽しい夏休みの思い出のひとつとなった。

 支援活動にあたり吉田社長は「元々社会貢献活動には力を入れており、今回の支援もその一環。避難者の心を少しでも癒せることが出来たなら幸い。石川町には仮設住宅の建設はなく、避難者の多くは既に町を後にした。県内各地の避難所も閉鎖により、今までのような招待は難しいが、今後も何らかの形で支援活動を継続的に実施していきたい」と話している。
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