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地元の河川愛護活動を継続
~ひとりの活動から地域の活動に~
郡山市 (株)武田工務店
(TEL 024-932-3389)
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郡山市の武田工務店(武田光平社長)は、会社近くを流れる一級河川「逢瀬川」において、環境保全団体が実施する清掃時のゴミの搬出処分や河川に関するイベントでの会場設営など、長年にわたりその活動を支援し続けている。
きっかけは平成3年、前社長の武田輝夫氏と当時逢瀬川でゴミ拾いを行っていた故・撞井恒夫氏という男性の出会いからはじまる。
撞井氏は、定年退職後ふるさと郡山で生活を始めた際、ゴミが大量に投棄された逢瀬川を前に何ともやるせない気持ちになり、「自分が幼いころのようなきれいな逢瀬川に戻したい」その一心で立ち上がり、空き缶、瓶からタイヤ、自転車、家具などの粗大ゴミまで一人で拾い上げる日々を続ける。
当時、会社で逢瀬川の河川工事を請負っていた輝夫氏は、撞井氏の活動を目の当たりにし、自分たちに出来ることで何か協力したいと考え、ゴミの収集係を買って出た。
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ゴミの搬出作業 |
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平成12年以降、同社と撞井氏が続ける活動に大きな転機が訪れる。活動に賛同した地域の河川愛護団体や県中建設事務所の職員を中心に結成した「胴長軍団」など逢瀬川を愛する団体が次々と川に入り、ゴミ回収への協力を始める。そして平成14年1月、同志により清掃活動や川に親しむ各種イベントを行うことを目的とした「逢瀬川ふれあい通り実行委員会」が立ち上げられるなど、支援の輪は一気に広がった。
逢瀬川ふれあい通りイベントは、上流側の富田親水公園や公民館、ビッグアイなどで年4回行われる。川をテーマに地元の小・中学生による水質浄化に関する研究発表や絵の展示、音楽の発表会、生物観察などの体験学習、ワークショップなどの各種イベントが催され、毎回多くの親子連れなどで賑わう。
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逢瀬川ふれあい通りイベント |
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平成23年は、東日本大震災などの影響で通常通りの開催は困難だったが、河川や会場の放射線量測定など関係者の尽力により、夏と秋に無事開催することが出来た。
同社では、テントやステージなどの会場設営、発電機の準備、会場の草刈りなど、イベントの円滑な運営に裏方として毎回協力している。
実行委員会による河川清掃は、国道49号から国道4号線近くまでの約7㎞区間で月1~2回ペースで行われており、同社では毎回社員がゴミの回収や2tトラックなどでの搬出処分を行っている。
その活動実績が認められ、平成21年度の福島県の「地域に根ざす建設企業表彰」を受けた。
武田社長は「以前に比べると確実にきれいになっている」と話す一方、「定期的に清掃しているにもかかわらず、いまだに投棄物がある」と現状を憂う。子どもからお年寄りまでが集うきれいな親水空間としての逢瀬川を取り戻すため、故・撞井氏の意志を受け継ぎつつ、同社の河川環境美化を通じた地域への貢献はまだまだ続く。
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