子どもの視点で現場見学会
~説明資料に様々な工夫~


石川町 水谷工業(株)
(TEL 0247-26-3175)
 石川町の水谷工業(水谷磯雄社長)は平成23年10月28日、古殿町内の小学校5校を統合して開校した古殿小学校の3年生を対象とした現場見学会を開催した。
 同社が学校前の国道349号舗装工事を請け負った際、現場を統括する鈴木茂則土木部主任が「小学校前の現場を施工できる機会は少ない。子ども達に是非とも身近な現場を見学してもらい、工事への理解と建設業への興味・関心を持ってほしい」と見学会の開催を会社に提案。創意工夫を凝らした地域貢献活動に力を入れている同社では、すぐに開催に向けた準備に入った。
 舗装工事であるため、実際に舗装を施工している場面を見学してもらうためには、工程上期間が限られる。学校との話し合いで、様々なことに興味を示す多感な時期である3年生の課外授業として取り入れることとし、10月28日の道徳の時間を開催日に決めた。
 施工区間は541mあるが、全体的に歩道が狭く、通行車両や重機の接近など避けつつ、児童が安全に見学できるスペースの確保が可能な場所は学校の校庭前に限定された。開催に合わせ鈴木英一主任技術者らが協力業者と準備を進めた。
 見学会で児童に配布した資料の作成には、大変な苦労とこだわりが見られた。
 舗装工事の内容や工程、使用する重機の名前や役割、ぬりえなどを盛り込み、文字の大きさに気を配ったほか、写真、絵を多く使用するなど小学生向けの一冊の本にもなりうる内容に仕上げた。特に漢字については、同学年の子どもを持つ社員の協力を得ながら研究を重ね、小学3年生の教科書に即したものを使用した。
 見学会当日は3年生46名が参加。はじめに緑川家司棚倉営業所長が挨拶し、主任技術者の鈴木氏が工事内容、舗装工事の一連の流れ、重機について説明。その後、校庭前に用意されたマカダムローラーやタイヤローラーに全員が試乗、はじめての経験に児童は目を輝かせていた。

  
重機の試乗の様子熱心に話を聞く児童

 続いて、現場前に移動し工事の様子を見学した。学校近くの現場で毎日目にしているということもあって、児童は熱心に説明を聞き、積極的に質問していた。
 終了後は学校側から「本当に貴重な体験をさせていただいた」と感謝の言葉があった。
 同社には、古殿町に住む社員も多く、実際に子どもが見学会に参加した社員もいた。その児童は、家でその日の出来事を楽しそうに話しながら、配布資料に添付された「ぬりえ」をしていたとの話を担当者が聞き、「私達にとっては些細なことでも、子ども達にとっては大変印象に残る出来事となる事が分かった。これからも機会があれば子ども達の視点に立った見学会を積極的に行っていきたい」と話していた。

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