2012
ヒルクライムコースを美化
交通安全のサポート活動も


会津美里町 江川建設工業(株)
(TEL 0242-54-3133)
 会津美里町の江川建設工業(波多野悦男社長)は、毎年5月に下野街道「大内宿こぶしライン」で開催される自転車タイムレース「時空の路ヒルクライム・イン・会津」に合わせて、コースの美化作業に取り組んでいる。

全社員総出で取り組むコースの美化作業
全社員総出で取り組むコースの美化作業

 ヒルクライム・イン・会津は、会津美里町、下郷町、両町観光協会、大内宿観光協会、福島民友新聞社による同実行委員会主催の、氷玉峠の高低差600mを利用した延長13.5kmの自転車タイムレース。男女、年齢別など個人21部門、団体4部門が設定され、初心者からベテランまで全国から多くの参加者で賑わう。第9回となる本大会は「復興ふくしま」を大会テーマに開催。県内外から約800人の選手が参加し、原発事故による風評被害を吹き飛ばそうと新緑の会津路を熱く駆け抜けた。今年からは県内ロードレース大会のシリーズ戦第2戦に位置づけられるなど注目度も増している。
 大会コースとなる会津美里町本郷地域から下郷町大内宿へ抜ける下野街道(現・県道下郷本郷線)は江戸時代、会津と下野(栃木県)を結ぶ街道として栄えた。両町にまたがる氷玉峠は当時から交通の難所として知られていたが、峠頂上部の氷玉トンネルと前後区間の改良工事が完成「大内宿こぶしライン」の供用開始に伴ない利用者が増えている。
 同社が取り組むコースの美化作業は、平成16年の第1回大会から。「大内宿こぶしライン」の改良工事を同社が施工していたことから、波多野社長と社員が「地元への恩返しに何かできないか」とアイデアを出し合った。大会には選手やスタッフ、応援を含めて2000人を超える人が町を訪れる。ごみのないきれいなコースで選手たちを迎えることで町のイメージアップにもつなげたいと大会コースの美化作業を決めた。
早朝の勤務前の時間帯を利用し全社員約30人が総出で作業に取り組む。沿道に捨てられた空き缶や紙くずなどごみの回収のほか、枯れ枝や落ち葉、砂利などのレースの障害物などの撤去、合わせて陥没個所のチェックなど土木舗装のプロの目で走路状態の安全点検も行う。10㎞を超え高低差600mのハード作業も「素晴らしいコース。また来年も参加します」と選手や応援の人たちの声が励みになるという。今年は第10回の記念の年。同社では今回選手参加も考えている。

◆春の交通安全運動にちなんだサポート活動も
 4月の「春の全国交通安全運動」に合わせ、町内の幹線道路交差点で新入園児や児童たちが安全に通学するためのサポート活動にも取り組んでいる。10年以上続けているボランティア活動で、子どもたちが交通ルールと正しい交通マナーを習慣づけてもらうとともにドライバーにも歩行者優先と安全意識を高めてもらうため会津坂下警察署美里分署から黄色の小旗などを借りて安全運動期間中の毎朝、全社員交替で交差点に立つ。「おはようございます」「ありがとうございます」など、子どもたちの元気なあいさつが眠気を吹き飛ばし1日のパワーの源になると社員の評判も上々だ。

子どもたちの交通安全確保に協力
子どもたちの交通安全確保に協力

 美化作業やサポート活動を通して近隣住民とのコミュニケーションが生まれた。小柴満夫専務は「公共工事を通してただ単に”モノを作る”から、”住民のために感謝されるモノづくりがしたい”という積極性が社員に生まれている」と社員の意識の変化が一番の成果ととらえている。

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