2014
会津から建設業を変える
Change!どぼく実行委員会の取り組み


県建設業協会若松支部、同宮下支部、県会津若松建設事務所
(若松支部 TEL 0242-28-2882)
 若者に建設業、ものづくりの面白さ、やりがいを正しく伝えるとともに、地域経済を支え、地域住民から信頼される建設業への再生に取り組むのは県建設業協会若松・宮下両支部の若手経営者で組織する會建会(あいけんかい、小野太成会長)と県会津若松建設事務所職員。平成26年6月、協働組織として「Change!どぼく実行委員会」を立ち上げ、1年目から多様な取り組みを始めた。

◇設立1年目から多様な取り組み◇
 同実行委は、建設業の業務や地域活動などを広くPRして建設業に対する評価向上を図り、地域の担い手となる若い世代の建設業への就業につなげるため、 若手経営者16人と県職員4人の計20人のメンバーで発足した。
 動きは機敏。早速、高校の先輩たちのメッセージを盛り込んだ企業情報パンフレットを作成し、地域内の各高校へ配布した。7月と10月には小学生や幼稚園児を対象に出前講座も開いた。
 高校生との意見交換会の開催を実現するため、職場体験学習「インターンシップ」に積極的に協力。11月には県立会津工業高校建築インテリア科の2年生40人と意見交換会を開いた。メンバーが進行役を務め、建設業の魅力を伝えた。兄貴分的な接し方で生徒たちの表情も和らぎ、業界への意見や素直な感想について意見を交わし た。

◇女性部会も立ち上げ、前面に◇
 土木、建築を中心に建設業に携わる女性技術者と会津若松建設事務所の女性技術職員をメンバーとする女性部会も立ち上げた。名称は「會津・美Lady」。「Builder(創造する人)」と「Beauty・Lady」を組み合わせた造語で、「厳しい仕事だけれども女性としての美しさも大切にしながら頑張っていきたい」との願いを込めて名付けた。
 女性の視点で業界の現状分析と検証を行い、職場の環境改善を提案する。定例会を開いて情報を交換、高校女子生徒との意見交換会や現場見学会にも参加し、建設業の魅力を伝えている。

會津・美Lady女子高生を対象に開いた現場見学会
會津・美Ladyら(左)と女子高生を対象に開いた現場見学会


◇「建設業ってカッコイイ」‐ 現場写真コンテスト開催◇
 魅力発信プロジェクトと銘打ち、両支部の主催、実行委員会の共催で初の現場フォトコンテストを実施した。
 現場従事者にスポットを当てた写真コンテストで、企画を決定し公募、公開展示までひと月足らずのハードスケジュールもメンバーの熱意が上回り、成功裏に終了した。
 「建設業ってカッコイイ」をテーマに〔1〕現場技術者、〔2〕現場技能者、〔3〕重機、〔4〕女性技術者、〔5〕現場風景―の5部門で会員各社から写真を募り、応募作品は会津若松市の「あいづまちなかアートプロジェクト」の関連イベントとして、会津若松市上町に開設した「どぼくカフェ※」に10月4日から11月3日まで1カ月にわたって展示。来場者の投票で入選作品を決めた。予想を大幅に上回る273票の投票で、得票数上位の11点を入選作品に選んだ。作品は会津若松市のほか県庁にも展示し、建設業で働く姿を広く情報発信した。

現場フォトコンテストの女性部門・最優秀賞作品
現場フォトコンテストの女性部門・最優秀賞作品


 年明けには活動状況を検証・精査し、組織体制を強化した。役員も選出し、委員長に小野太成氏、顧問に建設事務所長と両支部長が就いた。
 震災復興で改めてクローズアップされた建設産業の技術者、技能者不足と高齢化。建設業を取り巻く環境が厳しさを増す中、とりわけ若者の人材不足は深刻だ。建設業の魅力を発信、併せて業界の体質や待遇改善に取り組まなければ建設業の将来はない。現状を打開しようと「会津から建設業を変える」を合言葉に、官民が連携したChange!どぼく実行委員会が建設業再生に取り組む。
※どぼくカフェ=両支部の青年部会が県建設業協会青年部の協力を得て平成26年1月の「会津若松市十日市」に初めて出店。コーヒーや甘酒を振る舞ったほか、除雪作業のPRビデオ上映、災害復旧工事のパネル写真などを展示した。その後、金山町交通安全教室や昭和村で開かれた「麺'Sフェスティバル」などのさまざまなイベントにも出店し、住民との触れ合いを通して建設業の魅力を発信している


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