廃ガラス瓶をリサイクル
透水性舗装ブロックに活用
 県内の中小ブロック製造業者21社で構成する「協業組合福島シービー」が、廃ガラス瓶を活用した環境リサイクル製品を開発・発売。
 郡山市の協業組合福島シービー(吉田一栄理事長)では、県内で初めて開発した透水性舗装ブロックにガラスカレットを配合した「G(ガラス)ウエア・グランパス」を発売、話題を呼んでいる。昨年開催された「うつくしま未来博」の会場に使用されたほか、郡山市内の学校や公共施設などに採用され、着実に実績を伸ばしている。
 同組合では、郡山市が分別収集で回収したガラス瓶のうち、メーカーが引き取らない廃ガラス瓶をガラスカレット化して環境リサイクル製品に出来ないか、開発研究を進めてきた。一昨年、郡山環境クリーン協同組合の協力で透水性舗装ブロックの中にガラスカレットを配合した製品を開発した。
 郡山市富久山清掃センターリサイクルプラザで抽出されたガラス瓶を郡山環境クリーン協同組合が砂状に細かく砕いてガラスカレット化、福島シービーが透水性舗装ブロックに混入、製品化して出荷することで、地域内で排出された廃ガラス瓶を地域内でリサイクルすることを実現させた。
 環境問題を考えるとき、地域で排出された廃棄物を地域内でリサイクルすることが大変重要で、それを郡山市と協力して福島シービーが実現したことは全国的にも注目を集めている。「毎年多くの空き瓶が資源化されずに埋め立てられている。舗装用ブロックに活用することで、リサイクルの一助になればと考え開発をした」と組合では語っている。リサイクル製品の普及促進のために、ガラスカレットを入れた製品の方がコスト的には高くなるが、従来品と価格を同じにして販売している。地域還元という福島シービーの姿勢が伺える。
 今回開発した製品は厚さ60mmと厚さ80mmの300mm×300mmと100mm×200mm、150mm×250mmを主力にあらゆるバリエーションが可能、配合量は厚さ60mm製品で1平方メートル14kg、厚さ80mm製品で同18kgで、骨材の約15%のガラスカレットが使用されている。ガラス自体の強度は弱いが、ブロック基層部に粒径2.5mmから5mmの大きさに処理し、もみすり加工してガラスカレットを配合して強度を保った。表面にガラスカレットが露出しても加工済みのため安全性は高い。透水機能も高く、雨水の循環を促進して、歩行者の安全性、快適性や地球環境保護にも貢献している。

 昨夏のうつくしま未来博会場ではキビタンランド前の舗装に400平方メートルが使用された。そのほか猪苗代町立東中学校、郡山市河内清掃センター、郡山市宝沢沼園路整備、二本松市竹田見附ポケットパークなど多くの公共施設に採用され着実に実績を伸ばしている。
中小企業21社が共同工場と協業会社
 協業組合福島シービーは昭和44年県内の中小ブロック製造業者12社で創立しスタート、現在21社が加盟している。組合のスローガン「融和・協調・団結」を実践して業界有数の協業組合の地位を確保している。昭和48年に現在地の郡山市三穂田町に新共同工場を建設、日本工業規格表示許可工場として各種ブロック製品を製造、昭和56年舗装用ブロックの生産を開始した。また、昭和62年には共同販売会社として福島協業販売株式会社を設立、製販分離体制を確立した。この間、労働大臣表彰、中小企業庁長官表彰、通産大臣表彰、福島県知事表彰など数多くの賞を受賞してきた。
 新製品の問い合わせ先は同組合電話024(953)2111、FAX024(953)2113まで。
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