高性能マンションを販売
錦興業(いわき市)
ハイグレード仕様でローコスト
いわき市の錦興業(株)(佐久間裕一社長)は、新工法・AE2工法を採用した北海道仕様の高性能マンション「ヒーローマンション」の販売に乗り出した。県外にも精力的に営業を展開、すでに約40棟、300戸を超える受注・施工の実績を積み上げている。今後はさらにシェアの拡大を図り、月に2~3棟ペースを目指す方針だ。
北海道帯広市の日崎建設(株)(日崎秀一社長)が開発したAE2工法は、快適性、環境配慮、経済性の3つのコンセプトから生まれた環境への配慮と経済性の調和を実現する21世紀型の快適工法で、同社ヒーローマンションFC本部で特許を取得、現在、全国で約70社、約90カ所のテルトリーを誇っている。
 AE2工法のAは「アメニティ」、Eは「エコロジー」と「エコノミー」という意味をもつ。「アメニティ」には北海道の厳しい環境の中でも快適な住空間が生まれるという意味があり、「エコロジー」には省エネ・環境配慮という意味を含めている。従来の工法では、コンクリートの型枠や仕上げ材の下地として貴重な木材資源を大量に使用しているが、AE2工法では内部の型枠材として、また同時に室内の断熱材と内装下地材としての機能を備えたスタッドボードを使用している。
 ヒーローマンションの基本的な特徴は、この型枠・断熱材・内装下地材兼用のスタッドボード使用にある。このスタッドボードは、発砲ポリスチレンフォーム厚50ミリとリブ(力骨)とを一体成形したもので、上記3つの役割を同時に果たすことができる。また、水廻り関係では、お風呂、洗面所、トイレの水廻りのすべてを工場でユニット化し、組み立て・配管と漏水・圧力テストを済ませることで、設備関係の人件費を含め、工事費が大幅に節約でき、工期も短縮(約30日)できる。
スタッドボードを使用
 ヒーローマンションの構造は鉄筋コンクリート造。一般の鉄筋コンクリート造はコンクリートを流し込むために型枠材を必要とし、コンクリートが固まった後に型枠をはがす。AE2工法では、型枠材と断熱材を兼用したスタッドボードを使用しているため、コンクリートが固まった後に型枠であるスタッドボードをはがす必要がない。壁に50ミリ、天井に50ミリの断熱材がそのまま内装下地材として使え、型枠をはがす手間、断熱材を吹き付ける手間と材料、内装下地材を取り付ける手間と材料を一挙に省け、建築費のローコスト化を可能にした。さらに外部開口部すべてに2重サッシ(標準装備)を装備、開口部からの熱や音の進入および流出を防止するとともに、開口面の結露を防止する。この2重サッシの室内側は樹脂サッシを採用しているため、結露現象はもとより、外部の騒音も大幅にカット。室内の暖冷房で調和された空気を断熱材と2重サッシで保温し、光熱費も大幅に抑えられる。
 間取りタイプは単身者、シングル向け1LDKタイプの「プロージェ」、世帯向け2LDKタイプの「ピュアライフ」、ハイグレード仕様3LDKタイプの「パティオ」の3タイプがある。平面計画では中央階段形式を採用し、居室のすぐ外側を他人が通るといったプライバシーの侵害問題を解消、また、全戸が角部屋になり、入居者に人気の理想的なプランを提案している。さらに、土地の規模により自由に戸数を増やせる従来型(北側廊下型)のフリープランも多数用意している。価格は「プロージェ」タイプが本体価格で3500万円からとリーズナブルな価格に設定。ローコスト建築はそのまま入居者へ「安い家賃」としてはね返る。高性能で低家賃、入居率は全国平均で98%と驚異的な数字を誇る。
 同社では平成10年11月にプロジェクトチームを立ち上げて本格的に導入を開始、市内はもとより、郡山、白河、会津田島、富岡など市外のほか、茨城県北茨城市や牛久市など、県外にも精力的にアプローチをかけ、現在までに約40棟、300戸を超える受注・施工の実績を積み上げた。プロジェクト本部の島和久チーフマネージャは「ペースは順調で現在は月1棟の受注が見込める。今後はさらにシェアの拡大を図り、月に2~3棟ペースを目指したい」と今後の事業展開を見据える。
 モデルルームは市内佐糠町に常設しており、入居者、オーナー希望者が気軽に見学できる環境を整えている。問い合わせはフリーダイヤル0120(63)3132まで。

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