木造の概念を変えた『KES構法』
 山形市に本社を持つ株式会社シェルターは、住宅を資産価値のあるものとする『KES(ケス)構法』を開発、日本はじめ住宅先進国のアメリカ、カナダから特許を取得し、全国FC展開を図っている。

 株式会社シェルター(山形市松栄1-5-13、木村一義社長)は、昭和49年12月にシェルターホームとして設立。木造在来工法に加え、昭和49年にオープン化された2×4工法にいち早く取り組むとともに、さらなるクオリティオブライフを目指した研究開発に着手。13年間の歳月をかけ、昭和62年に大断面の柱と梁を独自に開発したスチールコネクターで接合し、大きなグリッドの組み合わせで建物全体を構成する『KES構法』を開発した。
 『KES構法』は、柱と壁のダブル構造で、住まいの重量を均一に支えるとともに、コネクター(アメリカ・カナダ・日本でコネクター及び構法についてパテント取得済み)で接合、従来の工法の良いところだけを組み合わせ、ハイブリットさせた新構法。大きなグリットで住宅重量を支えるため、在来工法や2×4工法では制約が大きく、今までは考えられなかったダイナミックな吹き抜けも思いのまま。また、開口部もワイドに設計できるほか、湿度の高い日本の気候風土に適した光と風があふれる健康的な設計が自由自在にできることなどが大きな特徴となっている。
 鍵を握るコネクターは、一般在来工法のような補助金物としてではなく、主要構造部をスチールコネクターによりガッチリと緊結。強度のバラツキがなくなるとともに、在来工法では不可能だった道路運送上可能な最大長さ11mのスパンや、100平方メートルの大空間も実現した。
「100年住宅」を提案
 『KES構法』では、部材の断面が在来工法と大きく異なる。「住宅を資産価値のあるもの」として提案するため、柱は140mm角の集成材を使用、梁、根太、垂木、土台等すべてにおいても他の工法より太い部材を使用し、骨太の構造体としている。
 耐震性については、世界に衝撃を与えた阪神淡路大震災でも実証された。多くの住宅が倒壊する中、構造自体に損傷を与えた『KES構法』の建物は皆無。優れた耐震性を実証した。
公共建築にも採用
 在来工法では不可能だった大スパン、大空間の実現により、『KES構法』の公共建築への採用が拡がりつつある。
 RCや鉄骨造では得られない暖かみや温もり、やすらぎが感じられる木造による公共建築を求めるニーズが高まり、平成13年には岩手県浄法寺町の役場新庁舎に『KES構法』が採用。構造体に使用した柱・梁の大断面集成材は町有林のカラマツを集成材にして活用し、町民との一体感及び低迷する地域林業の活性化にも寄与。建築費は4億円台、工期は4ヶ月と当初想定を大幅に短縮、全国から注目を集めている。
東北発FC全国展開
 同社では、昭和62年末から同構法のフランチャイズ化を推進している。技術面及び営業面の指導もマニュアル類を送るだけでなく、KESカレッジを開設して実務的な研修も行っている。FC加盟店は平成13年現在、100社を超えている。
 『KES構法』の詳細については、株式会社シェルターホームページへ
http://www.kesfc.co.jp/
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