|
 |
|
 |
|
デジタル地理情報システム活用し管渠管理
福島県下水道公社の維持管理業務
|
|
 |
■PC画像でリアルタイムの管路状況を把握■ |
|

地図上にポイントを表示すると管路状況が確認できるシステム
財団法人福島県下水道公社(平井良一理事長)では、地理情報システムを活用した「下水道管渠管理システム」を新たに導入し、効率的な維持管理業務に効果を発揮している。
このシステムは現在、阿武隈川上流流域下水道・県北処理区の国見幹線延長約 2.1?区間を対象に運用されている。システムには、国見幹線延長約
2.1?区間における管路施設情報がデータとして収録されており、引き出したい地点の住所・施設・目標物などを地図上で指定するとピンポイントでリアルタイムの管路状況が確認できるので、適切でスピーディーな維持管理が実現できるものとなっている。同公社からの委託を受けて今年の6月に株式会社日水コンがソフトの開発に成功した。 |
|
 |
■カメラ調査で動画や展開画像を表示■ |
|
会津若松市・エマキの新技術を採用
カメラ調査による管路内の動画表示
施設情報として管渠の延長や材質、内外径、勾配管渠の断面図、点検・修繕の履歴などが納められており、カメラ調査による管渠情報の収集によって動画や展開画像も可能となっていて、画面上の調査記録表の障害位置を指定することによって、その付近のビデオ動画が表示できる。さらに、会津若松市のベンチャー企業・株式会社エマキが開発した技術を導入し、ビデオ画像から作成した管渠の展開画像を表示することができる画期的なシステムとなった。
下水道管渠台帳情報管理システムが備える外部プログラムインタフェースを利用し、管内テレビカメラ調査結果管理システムとの連携を実現した。ベースとなるソフトウェアとして日水コンが開発した地理情報システム(geoworld)を使用し、将来のシステム拡張などに柔軟に対応できるのが大きな特徴となっている。
新技術の展開画像を導入
ゼンリンデジタル住宅地図に基づいて、管渠・ベクトル図形や管径・勾配・延長・人孔種別、断面・縦断面図イメージデータ、さらにカメラ調査による動画や展開画像が表示できるソフトにデータベース化されている情報は
▽国見町地形図=ゼンリンデジタル住宅地図、処理場一般平面図
▽管路施設情報(延長 2.1?、人孔36基)=管渠・人孔ベクトル図形、管渠・人孔の属性情報、管渠平面・縦断面図イメージデータ
▽管渠テレビカメラ調査結果=調査票、動画情報(ビデオテープからデジタル化)、展開画像(ビデオテープよりデジタル処理)
▽地質調査データ=柱状図イメージデータ |
|
 |
■県内の流域下水道で全面展開目指す■ |
|
適切なストック管理で水環境保全に貢献
財団法人福島県下水道公社は、下水道事業の振興を通じて生活環境の改善と公共用水域の水質保全に貢献するとともに、新技術開発として汚泥の溶融スラグ化による再利用やバイオマスなどに積極的に取り組んでいる。事務・事業活動の中で環境に与える影響を把握するため、平成14年3月には環境マネジメントシステムであるISO
14001の認証を取得し、環境負荷の低減に向けた活動を進めている。今後は、来年度以降に梁川幹線延長 2.7?および保原幹線延長
3.4?を対象に更にシステムの整備を進めていく予定にしており、国見幹線における今回の新たな維持管理システム導入を契機にその整備効果を検証しながら、将来的には県内の他処理区への全面展開を目指していくことも視野に入れている。
下水道に限らず施設整備が進むにつれ、適切なストック管理が重要となっている。現在は道路や河川、都市施設などのジャンルごとに施設台帳が整備されているが、実際のストック管理においては膨大なデータの抽出や分類が必要であり、その意味で台帳のデジタル化は必須の課題である。また下水道などの地下施設においては今後、GISへの対応も必要になることだろう。
同公社では、重要な社会資本である下水道施設ストックをデジタル管理することで、維持修繕や今後の計画づくりに役立てる。公共施設の企画立案も「デジタルの時代」に入った。 |
|
 |
目次へ |