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福島市の寿建設(森崎俊紘社長)は、トンネルの漏水対策工法「点導水工法」を提案、従来の「線導水工法」に比べその効果、低コスト、美観などの面からも画期的な新工法として高い評価を得ている。5月26、27日開催の「EE東北04」にも出展した。
現在供用中のトンネル、特にNATM以前のトンネルでは、トンネルの上半と側壁の打ち継ぎ目からの漏水が多く見受けられることが少なくない。壁面を流れる水が歩道や道路にまで達し、冬季に凍結による交通事故を招く原因になっているほか、通行者に対しても不安・不快感を与えかねない。
これまでその対策には通常「線導水」が採用されてきた。漏水個所をすべて連続的にはつり、歩道下(監査路)下の排水路まで導水するという方法で、特に寒冷地の場合、施工個所を覆ったゴムが凍結で傷みやすく、翌年にはまた漏水するなどの問題点があった。さらに、打ち継ぎ目を連続的にはつることでの強度上の問題や、黒いゴムをコンクリート上に張ることでの景観上の問題も指摘されていた。
同社が提案する「点導水工法」は、漏水の原因となるトンネル背面の「水溜り個所」をトンネル施工業者としての経験から推測し、そこに向かって1点から放射状に数本のボーリングを施工し、漏水の根本的原因を解決し導水するというもの。原因個所から水を抜き、導水するため、効果的な漏水対策といえる。
トンネル補修施工までの流れは、まず目視調査、打音調査、空洞調査などの各調査を行い、劣化状況や原因などを診断、補修要否を判定し施工計画を立てる。施工はベースホール削孔、水抜きボーリングを行い、導水パイプを設置、特殊断熱材を塗布し色あわせをして仕上げる。
同工法は平成14年12月に試験施工を行い施工開始した。これまで会津地方のトンネルを主体に10トンネル、160本(1トンネル3本から32本まで)の施工実績がある。
問い合わせは同社TEL:024(543)0511(担当=営業部)まで。
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