室内空気汚染を測定
県内4方部に検知器導入
福島県室内装飾事業協同組合
 県室内装飾事業協同組合(室井強理事長)は、平成15年7月にから改正された建築基準法に対応するため、検知管式測定器を用いた独自のシックハウス対策を実施している。
 住宅等の機密性が向上する一方、化学物質を放散する建材や家具、家庭用品の普及により、室内空気が汚染されることによって生じる健康被害、いわゆるシックハウスが問題となっており、同組合としても積極的に取り組むこととしている。

<室内空気汚染検知管式測定器>
■顧客に安心してもらいたい…■
 2000年には厚生労働省が、任意制度の室内環境対策として室内空気中化学物質14種類の室内濃度指針値をガイドラインとして告示したほか、国土交通省は2002年8月に任意制度の住宅性能表示制度で、ホルムアルデヒドの測定を必須とし、トルエン、キシレン等の測定を選択としている。また、2003年7月からは、建築基準法の改正施行により、ホルムアルデヒドを含有する建材や換気設備に規制を加えた。
 同組合の事業分野である室内装飾では、壁のクロス張りや床仕上げに使われるビニルタイル等に用いる材料や接着剤が、こうした規制の対象となることからフォー・スター(標示:★★★★)製品の使用徹底を図る一方で、実際に室内の空気汚染を測定して顧客に安心してもらおうと、検知管式測定器の導入に踏み切った。
 県内4ブロックに配備し、顧客の要請に応じてホルムアルデヒドやトルエン、P-ジクロロベンゼン等の測定を組合員が行っている。昨年9月には、ブロックごとに説明会を行って、正確な測定方法を研修し、機器の仕様や取り扱い方法を習得するとともにホルムアルデヒドなど検知物質の値の読み取りなどについて研修している。
■施工前と施工後に測定■
 室内空気中の化学物質に対する関心は年々高まっており、室内装飾という専門工事の分野では、住宅の場合、新築時はもとよりリフォームの際にも作業量が多い。同組合の測定は、施工前と施工後の測定を行うことで、施工の影響を確認するシステムだ。
家具類から発生する化学物質と切り離して測定することで、もしシックハウスが発生した場合にも原因分析がやりやすくなる。
新築住宅の室内環境を測定する場合は、扉や窓などを開放して30分間の強制換気を行った後、5時間以上閉めきり、居間・寝室中央・外気の3カ所を測定する。費用も少なく、一般的な測定の場合は1万円程度。
一部の専門会社を除けば、県内でこうした測定を行うための機器や人員を配置しているのは同組合のみであり、関係機関・業界にもPRを進める。同組合では「専門工事業者として顧客の信頼に応えたい」と話している。

<昨年行われた県北方部会での説明会>
■施工前と施工後に測定■
 室内空気中に含まれる化学物質の影響は、使用する材料と接着剤の品質だけでなく、施工方法や材料の組み合わせで違ってくる。同組合の組合員は、新製品の販売時に研修会を開催するなどして、適正な施工方法を習得しているが、こうした研修に参加しないアウトサイダーが多いことも事実で、研修会をはじめ、組合事業への参加を呼びかけている。


問い合わせは同協組(TEL024-554-4181)まで。
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