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総合建設業の三立土建(南会津郡下郷町湯野上字沼袋乙843、浅沼秀俊社長)は、光触媒工法「アレックス」による営業展開を検討し、このほど商社機能を中心とする三立エンタープライズを設立。1月から業務に取り組んでいる。
スタッフは商社勤務の経験をもつ営業担当の大竹隆男氏のみ。受注した契約は、三立土建が施工する方針だ。
三立エンタープライズは、光触媒塗料メーカーのネクステックス(本社・札幌市)の総代理店として、会津地域の自治体にPR活動を行っているほか、三立土建が受注した民間住宅施工に光触媒塗料の使用を提案するなど、販路拡大に努めている。
今後は、県の総代理店として商品仕入れや販売、施工を行いながら、いわき地区を除く4ブロック(会津南部、会津北部、中通り南部、中通り北部)で事業展開を計画。各ブロックに代理店(2次店)を置いて商品を卸すなど、市場戦略を踏まえ事業拡大を目指す。
→強力な活性酸素で分解・剥離←
光触媒効果は昭和50年に東京大学の研究により発見された。大きな特長は①防汚②殺菌③消臭の各効果。
効果を活かす光触媒工法「アレックス」は、特殊な薬液を独自の技術で塗布し、表面に薄い二酸化チタンの皮膜を作る工法。皮膜は紫外線(紫外線が無ければ、ブラックライトでも可)と反応し、活性酸素を発生させ、強力な酸化力で塗布面に付着した有害有機化合物を分解・剥離する。太陽光を利用するため、エネルギーフリー、ランニングコストフリー、メンテナンスフリーの画期的な環境保全技術でもある。
皮膜は非常に薄く、人や環境には全く害がない。空気中の物質が塗膜に接触することにより、臭いの原因物質や浮遊細菌を瞬時に分解、1時間で700ppmのホルムアルデヒドを取り除き、3時間で100万個の大腸菌を死滅・分解させる。
経済産業省の創造技術開発補助を受け、中小企業革新支援法支援対策事業で開発。東大大学院や聖路加看護大学大学院、北海道大学先端化学研究所ほか自治体、業界関係企業延べ約20団体が協力し、販売には薬品、商社、建設関連、塗料会社などが全国展開中。
アレックスの施工法は、溶液を塗装用スプレーガンにより1ミクロン以下の厚さでタイル・金属・クロスの基盤に塗布する。常温で活着するため、焼き付けや塗装後の加熱は不要。コーティング面には膜があり、塗装硬度は6H(鉛筆強度)以上。従来品の数十倍の塗膜強度と数百倍の化学的活性があるとされ、紫外線が当たる限り半永久的に反応を続ける。
適正な施工には、摂氏10度以上の温度が必要で、外装工事は春~秋ごろが適当。三立エンタープライズでは、春にも試験拭(しけんぶき)を行って施工データを蓄積する方針を示す。現在は、吹き付け(塗布)のみの施工だが、将来的には刷毛(はけ)による施工法も開発する考えだ。
費用は工賃込みで1平方メートル当たり通常製品の2倍程度の金額だが、清掃費も含めた長期的コストを考えれば、費用対効果でも大きな利点がある。
北海道大学では、校舎のガラス面を同工法で施工。北海道の塗装業協同組合は技術講習会を開くなど、営業手法を研究している。
今後拡大が見込まれる営業の場には、建物内部のシックハウス対策や、防汚効果によるトンネル内壁の改修、消臭性、防汚性を活かした病院・飲食店・学校施工などが挙げられている。
問い合わせは三立エンタープライズ=TEL0241(68)2301、FAX(68)2333。

ビル外壁での光触媒塗料の塗布作業 |